トヨタが提携中のAurora、自動運転トラック商用化へ最終段階

「Aurora Driver Beta 6.0」を発表



出典:Aurora Innovationプレスリリース

自動運転開発を手掛ける米Aurora Innovation(オーロラ・イノベーション)は2023年4月10日までに、開発中の自動運転システム「Aurora Driver Beta 6.0」の機能が完成し、ドライバーレストラック商用化に向けた最終段階に入ったことを発表した。

これにより、2024年末までにダラス〜ヒューストン間を車両オペレーター無しで商業輸送するという目標に一歩近づいた。ちなみにAuroraはトヨタと提携していることで知られる。


■Aurora Driver Beta 6.0の概要

Aurora Driver Beta 6.0は、Auroraのトラック向け自動運転サービス「Aurora Horizon」を開始するための重要な要素で、独自開発したLiDAR「FirstLight Lidar」や仮想テストプログラム「Aurora Virtual Testing Suite」、HDマッピングシステム「Aurora Atlas」などで構成されている。さまざまなメーカーが製造した異なる車両で動作可能な自動運転システムとなっている。

Aurora Driver Beta 6.0には、2つの重要な機能が搭載されている。1つ目は他の車両やモノとの衝突リスクを察知し、対応することだ。危険だと判断された場合、安全に停止し、管制センターに通知をする。

2つ目は、設計範囲外のシナリオを検知し対応することだ。予期せぬ気象状況などの場合、管制センターに通知し、オペレーターは当該車両にどう行動するかを指示することができる。

今回のAurora Driver Beta 6.0発表までに、Auroraは過去1年半の間、6回のベータ版のアップデートと数十の機能のリリース、FedExやWerner、Schneider、Uber Freightとのパイロット輸送を行ってきたという。


■2016年に設立、トヨタとも提携

Aurora Innovationは、Googleやテスラ、Uber出身の技術者3人が中心となり、2016年に設立された。2020年12月には、配車サービス大手Uber Technologiesの自動運転開発ユニット「Advanced Technologies Group(ATG)」を買収した。

2021年2月にはトヨタとデンソーと戦略的パートナーシップを締結した。同年11月には、米ナスダック市場にSPAC上場している。

最近は株価が低迷しているAuroraだが、この明るいニュースにより株価が上昇する可能性も出てきた。商業化の行方に注目だ。

▼Aurora Innovation公式サイト
https://aurora.tech/


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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