トヨタ、複数モデルに中国RoboSenseのLiDAR採用

現地合弁一汽トヨタが製造する車種に



出典:RoboSenseプレスリリース

LiDAR開発を手掛ける中国のRoboSenseは2023年2月15日までに、トヨタ自動車の中国での合弁会社である一汽トヨタにLiDARを提供することを発表した。

一汽トヨタが製造する複数のモデルに、RoboSenseのLiDAR「RS-LiDAR-M series(Mシリーズ)」が搭載されるという。


LiDARは「ライダー」と読み、光技術で対象物までの距離や対象物の形状をデータ的に把握することが可能なセンサーだ。自動車業界では「自動運転の目」などを呼ばれ、すでにLiDAR開発を手掛けているベンチャー企業を含めると数多くある。

【参考】関連記事としては「LiDARとは?読み方は?」も参照。

■車両1,000万台以上に納品予定か

2014年設立のRoboSenseは中国・深センを拠点とし、自動運転車や物流専用車、ロボタクシーなどに向けてLiDARを開発している。LiDARやAI認識、ICチップセットを強みとする同社の技術は、全世界で1,000以上の特許を保有しているという。

RoboSenseが開発するMシリーズは、世界で唯一、車載グレードの量産を実現した第2世代スマートソリッドステートLiDARだという。トヨタを含むと、20社近い自動車メーカーから50以上のモデルの受注を獲得しており、総受注予定台数は1,000万台以上になるようだ。


そんなRoboSenseには、中国のEV大手BYD(比亜迪)BYDや中国EC大手アリババが出資しており、中国の自動運転業界でも一定程度の存在感を放っている。

■トヨタの「選択肢」に含まれる意義

RoboSenseが一汽トヨタにLiDARを供給するからと言って、RoboSenseのトヨタの唯一のLiDARサプライヤーになるわけではない。基本的には自動車メーカーは複数のLiDARを自社の複数の車種で使い分けながら、メインサプライヤーを絞っていく流れとなっている。

とはいえ、トヨタの「選択肢」に含まれることは、LiDAR企業にとってはビジネス拡大に向けて大きなステップとなる。その点には言及しておく。

▼RoboSense公式サイト
https://www.robosense.ai/en


【参考】関連記事としては「中国シャオミ初の自動運転車、LiDARはHesai製品を採用」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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