自動運転の「AIスーツケース」、視覚障害者を誘導

日本科学未来館など開発、東京で屋外実証



出典:Digital Innovation City協議会プレスリリース

自動運転で視覚障害者を目的地まで誘導する「AIスーツケース」の開発が進められていることをご存じだろうか。東京のお台場にある日本科学未来館などが開発を進めているもので、すでに日本科学未来館や新千歳空港などで実証実験が行われている。

ナビゲーションロボットという位置付けで開発されているこのAIスーツケース。2023年1月28日〜2月6日(※運休日あり)にかけ、街の中での運用を目指して初の屋外での走行実証が行われる。1日に3便運行し、うち2便の対象者を視覚障害者とするという。


走行ルートは、日本科学未来館を起点にしてゆりかもめ「テレコムセンター」駅付近までとのことだ。1月6日午前11時から、以下の日本科学未来館のイベントページで体験者の募集を先着順で開始するという。

▼イベントページ申込
https://www.miraikan.jst.go.jp/events/

体験をしたあとはアンケート調査に協力する流れとなり、体験者からのフィードバックを今後の研究開発に生かしていくという。

■一見ふつうのスーツケースだが・・・

今回のAIスーツケースの屋外走行実証は、東京都やDigital Innovation City協議会が開催する次世代モビリティ体験イベント「未来を乗りにおいでよ。次世代モビリティのまち体験」の1つとして行われる。


自動運転EVバスの体験なども可能なので、興味がある人は以下のページをご覧頂きたい。

▼未来を乗りにおいでよ。次世代モビリティのまち体験|DIC-Digital Innovation City協議会
https://tokyo-dic.jp/smart-mobility/

話をAIスーツケースに戻すと、日本科学未来館のウェブサイトでは「AIスーツケースは一見ふつうのスーツケースですが、さまざまなセンサーやAI、モーターを搭載することで、自律移動が可能です」と説明されている。

要はあらかじめ設定した場所まで、AIスーツケースが障害物や人を回避しながら、安全に利用者を誘導してくれるものだという。開発には「次世代移動支援技術開発コンソーシアム」が協力しているようだ。


自動運転技術や自立移動技術は自動車向けだけではなく、病院内やレストランで活躍する自動搬送ロボットなどでも活用されており、今回のAIスーツケースも自律移動技術をうまく障害者支援で活用しているものだ。

より多くの人が暮らしやすい社会の形成に、自律移動技術は大きな貢献を果たす。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事