トヨタの自動運転技術が病院内で展開されていることが、このほど明らかになった。自動運転機能が搭載された搬送ロボットが愛知県豊田市のトヨタ記念病院で活躍しており、トヨタのオリジナル記事によれば、現在は5病棟で展開されているという。
トヨタ記念病院で展開されている自動運転配送ロボットは、東京五輪において生活支援ロボットとして展開された「HSR」という名称のロボットの技術が応用されているという。
搬送ロボットについてトヨタの自社メディア「トヨタイムズ」では、「カメラとセンサーで位置を把握し、人や物を避けて走るクルマの自動運転技術と基本は同じ仕組み」と説明。その上で「大きな病院では、エレベーター移動も必須だった」とし、改良を重ねて現在は第3世代の搬送ロボットが稼働しているという。
▼トヨタの改善は病院でも通用するのか。謎の箱に迫る|トヨタイムズ
https://toyotatimes.jp/series/beyondmobility/004.html
■「モノを運ぶ仕事」をロボットが代替
記事によれば、自動運転搬送ロボットの開発プロジェクトは2019年にスタートした。看護師の仕事を開発担当者が丹念に見続け、「看護師の勤務時間の4割が、モノを運ぶなどの仕事に費やされていたこと」に気がついたという。
そこで副総看護長などと連携し、まず救命救急病棟で搬送ロボットが活躍するのでは考え、展開が進められていったという。前述のエレベーターの課題も、ロボットとエレベーターの間で情報通信が行われることで、階をまたいだ移動も可能にしたようだ。
病院では現在4台の搬送ロボットが活躍しており、今後は搬送ロボットの展開病棟を17病棟まで増やし、展開台数も約30台にする計画だとされている。
「自動運転」といえば自動車、そして道路を思い浮かべるが、病院内もトヨタの自動運転技術の活躍の場となっている。
【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略」も参照。