自動運転と手動運転の「継ぎ目」をなくす!ハンドル制御で新技術

トヨタグループのジェイテクトが開発発表



出典:ジェイテクト・プレスリリース

トヨタグループで自動車部品大手の株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市/取締役社長:佐藤和弘)は2022年10月23日までに、次世代のハンドル制御システム 「Pairdriver(ペアドライバー)」を開発したことを発表した。

2017年に開発に着手した同システムは、自動運転と手動運転のつなぎ目をなくす協調操舵を可能にするという。


■自動運転システムと運転者の意思をつなぐ

Pairdriverは電動のパワーステアリングを介し、自動運転システムと運転者の意思をつなぐシステムだという。EPSセンサー技術や制御技術の応用・発展により、自動化システムの意思を的確に運転者に伝える技術のようだ。

プレスリリースに 「自動運転走行中にシステムが運転者の操舵を検知すると、操舵補助を伴いながらスムーズに運転者の操舵意思を反映し、システムと運転者の意思を同調させながら車両を操舵していきます」とあるように、「人とシステムの直感的なコミュニケーション」により運転をアシストし、安全・安心な運転環境を実現するという。

システム名である「Pairdriver」は、「人とシステム、2つのドライバーが対等な関係で協力し合うこと」を意味する。システムに依存するだけでなく、システムと人の調和により生まれる安心感や協調性を表現しているという。

出典:ジェイテクト・プレスリリース
自動運転レベルから考えるこの技術の有用性

自動運転技術が自動運転レベルの最上位の「5」になれば、自動車は人間が一切介入しなくてもどんな場所でもAI任せで無人運転が可能になる。しかし、自動運転レベル3でも自動運転レベル4でも、条件や場所によっては人間による運転操作は必要になるシーンが出てくる。


(※もっと正確に言えば、レベル4は特定エリア内に限っては人間の介入は一切必要ないが、その特定エリアの外で移動が必要な場合は、人間の介入が必要になってくる)

そのため、レベル5以下では自動運転と手動運転の「継ぎ目」ができるシーンがあるため、今回のジェイテクトの技術は非常に有用であると言える。今後しばらくはレベル3〜4の時代が続くことを考えても、こうした技術の開発はもっと進むことが望まれる。

【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義・呼称・基準は?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)





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