自動運転レベル5のEV(電気自動車)の実現を目指しているTURING(チューリング)社は、名人を倒した将棋AI「Ponanza」の開発者らが設立した企業として知られる。その開発者とは、名古屋⼤学特任准教授も務める⼭本⼀成氏だ。
この山本氏らが設立したTURING社が、このほど自動運転での北海道1周に挑戦した。その結果、95%の道のりを自動運転モードで走破し、北海道1周を果たしたという。
■1,300キロ以上を自動運転モードで
TURING社は北海道1周長距離走行プロジェクトを2022年10月上旬に実施し、総走行距離1,480キロのうち約95%となる1,300キロ以上を自動運転モードで走行したという。函館市から札幌市、稚内市、網走市、帯広市を経由したようだ。
ちなみに報道発表によれば、北海道全域での広域な実証実験は国内で初めての試みだったようだ。
同社はこれまで、千葉県の公道や日本自動車研究所所有の城里テストセンター内において、自動運転システムの開発・検証を実施してきた。今回の北海道での実証結果をふまえ、AIを活用した自動運転技術をさらに進化させたい考えだ。
共同創業者でCTO(最高技術責任者)の青木俊介氏は「1,300km以上の道のりを自動運転で走破することに成功し、チューリング社の技術レベル・開発速度を示すことができた」と説明。その上で「今後も完全自動運転車実現のために、さらなる技術開発・研究を進めてまいります」としている。
■「We Overtake Tesla」を掲げるTURING社
2021年8月に設立されたTURING社は、完全⾃動運転EV(電気自動車)メーカーとなることを⽬指しているスタートアップだ。
「We Overtake Tesla」(Teslaを超える自動車メーカーを作る)をスローガンに掲げ、AI技術により、場所や走行条件を問わずいつでも自動運転が可能な「自動運転レベル5」(完全自動運転)の実現を目指している。
設立からわずか1年ほどで公道1,300キロ以上の自動運転に成功した同社。テスラを超える自動車メーカーを作るというスローガンは、決して夢物語ではないと思わせる勢いだ。今後も同社からどんな発表があるのか、注目したい。
【参考】関連記事としては「打倒テスラ!TURING、千葉の公道で自動運転実証スタート」も参照。