米ニュースメディアのポリティコはこのほど、EU(欧州連合)執行部が自動運転レベル4(高度運転自動化)の販売を認める法案を提案する見込みだと報じた。法案が成立すれば、欧州加盟国で自動運転開発に勢いがつきそうだ。
また報道によれば、高度な自動運転技術を搭載した車両を自動車メーカー1社につき年間1,500台まで登録・販売することを認めるルールも含まれるようだ。法案は2022年9月末までに提案する予定だという。
EUの関係者は自動運転技術について「すでに実験段階から商業段階へと移行している」と語っているという。なおドイツでは、レベル4の自動運転を可能にする「自動運転車両の認可及び走行に関する政令」が2022年5月に承認されている。
■「自動運転レベル4」の自動車とは?
ここで改めて「自動運転レベル4」についておさらいしておきたい。
レベル4は米SAE(自動車技術会)の呼称を使う場合は「高度運転自動化」、日本の「先進安全自動車(ASV)推進検討会」が策定した呼称では「自動運転車(限定領域)」と表現される。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?」も参照。
自動運転の程度としては、特定エリア内・特定条件下における完全自動運転のことを指し、例えば「高速道路で日中だけの完全自動運転」が可能なシステムは自動運転レベル4であると言える。
世界的にはホンダが2021年3月に自動運転レベル3の市販車を発売したが、レベル4はその上をいく技術水準だ。
■レベル4開発は今のところバスなどがメイン
ちなみに、レベル4は自動運転バスや自動運転シャトルなどの移動サービス向けモビリティでは積極的な開発が世界的に進んでいる。
市販車に搭載するための技術開発はまだまだこれからといったところだが、中国の百度は2022年内にレベル4の市販車を発売すると発表している。
EUでレベル4の発売を認める法案が成立すれば、VW(フォルクスワーゲン)など欧州の自動車メーカー勢も、レベル4開発の動きを本格化させそうだ。
【参考】関連記事としては「世界初「自動運転レベル4市販車」、中国・百度が発売へ」も参照。