自動運転車やコネクテッドカーの技術開発が進む一方で、外部ネットワークとの接続が行われることによるサイバー攻撃のリスクが高まっている。
そんな中、パナソニックが自動車セキュリティにおいて「世界最強級」の技術力を持つことが証明されたようだ。
特許調査大手のパテント・リザルトが行った調査によると、パナソニックの特許は日本、米国、欧州の他社と比較して圧倒的な強さを誇っているという結果が表れた。その内容を詳しく見ていこう。
■日本と欧州で1位、米国で2位
調査は、「セキュリティに関連する技術分類」「自動車に関連するキーワード」「サイバー攻撃に関連するキーワード」「特許公開日」の4つを基にした検索式を作成して行った。日本特許1,528件、米国特許3,511件、欧米特許1,141件を抽出し、パテント・リザルトの特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて、個々の特許の注目度を点数化した「パテントスコア」の評価を行った。
総合的な強さを表すスコア値で、パナソニックは日米欧の全てにおいて、他社を圧倒していることが分かった。有権特許件数では、日本と欧州で1位、米国においても2位となっており、特許の量と質両方で優れているという結果になった。
中国特許は調査対象とされていないが、「世界最強級」と表現しても良さそうだ。
■パナソニックの「強さ」の秘訣は?
パナソニックは、AV機器やモバイル、IoT機器といった組み込み機器向けのセキュリティにおいて、長年の実績を持っている。これまで蓄積してきた技術や人材を生かすことで、新たな自動車セキュリティの分野においても優れた技術開発と特許出願ができているようだ。
市販の車両を購入しての攻撃実験にも力を入れている。特徴的なのは、社内にハッキングチームがあることだ。この攻撃実験では、ハッキングチームが実際に車をハッキングし、対策チームがそれに対応した技術を考案しているという。
またパナソニックは、DVDやBlu-rayの商品化などで特許競争を行ってきた経験があり、特許出願に対し積極的な姿勢を示している。創業者である松下幸之助氏も「松下式ソケット」をはじめ、100件もの特許・実用新案を自ら手掛けた。
■今後も自動車セキュリティ向上に注力
パナソニックは自動運転車向けに、車両セキュリティ監視センターへ分析用データを送信する「車両侵入検知システム」や、車両侵入検知システムから受信した大量のデータを分析し可視化する「セキュリティ情報イベント管理システム」も開発している。
今後も自動車セキュリティの底上げに貢献すべく、技術発展に挑む意向だ。
【参考】関連記事としては「国内初!自動配送ロボで遠隔監視型の公道走行許可 パナソニックが取得」も参照。