Innoviz、自動運転向けLiDAR開発で40億ドルの巨額契約獲得

「世界最大級の自動車メーカー」に



InnovizTechnologiesの創業メンバー。中央がCEOのOmer David Keilaf氏=出典:InnovizTechnologies公式サイト

LiDARを開発するイスラエル企業Innoviz Technologiesに関するビッグニュースだ。世界最大級の自動車メーカーの1社と、LiDAR供給に関する約40億ドル(約5,200億円)相当の契約を交わしたという。2022年5月10日までに発表した。

契約相手の自動車メーカーがどこかということについてはまだ明らかにしていないが、5月11日に行われる2022年第1四半期(2022年1〜3月)の決算説明会で詳しい説明がある見通しとなっている。


その自動車メーカーのグループ内の複数のブランドにInnovizのLiDARが搭載される計画だという。今回の契約を含めるとInnovizの受注額は累計で約66億ドル(約8,600億円)相当となるようだ。

■2016年設立のイスラエル企業

LiDAR製造に特化した企業の中で、InnovizはVelodyne LidarとLuminarに次いで知名度でトップ3に入るかどうか、といった企業だ。今回の巨額契約獲得で、一気にInnovizの存在感が高まる可能性がある。

同社はイスラエルのテルアビブに本拠地があり、イスラエル国防軍(IDF)やSTマイクロエレクトロニクスなどでエンジニア経験があるOmar David Keilaf最高経営責任者(CEO)らによって2016年に設立された。

カナダのマグナや米アプティブなどの自動車部品メーカー大手や日本のソフトバンクグループ、韓国のサムスンなどからも出資を受け、2021年4月にナスダックにSPAC上場を果たした。独BMWが2021年からInnovizのLiDARを採用していることでも知られる。


■今年1月には「InnovizTwo」を発表

2022年1月には次世代LiDARとして「InnovizTwo」を発表しているInnoviz。InnovizTwoは高い解像度と最大300メートルの検出範囲という強みを持ちながら低コスト化を実現し、自動運転レベル3とレベル4に対応している。

また2022年第4四半期(2022年10〜12月)には、建設や物流業界向けの車載用次世代高性能360度LiDAR「Innoviz360」を発表予定だ。

攻めるInnoviz。Velodyne LidarやLuminarなどに打ち勝つ存在となるか。

▼Innoviz Technologies
https://innoviz.tech/


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事