免許返納問題、自動運転タクシーが課題を解消

運賃がどんどん安くなれば、免許は不要に



出典:Waymoメディア向け資料

高齢になると認知能力や判断能力が低下するのは仕方がないことだ。高齢になった自分が事故を起こさないよう、免許返納の決断をする人も増えてきた。一方、免許返納に消極的な人もいる。

さまざまな事情で免許を返納しにくい人がいるのも分かるが、こうした状況では高齢者により事故のリスクは社会においてなかなか低くならない。そんな中で期待感が高まっているのが、運賃が安い自動運転タクシーの普及だ。


■自動運転タクシーは将来運賃が安くなる

自動運転タクシーは当初は従来型のタクシーを料金がほとんど変わらないかもしれないが、いずれは運賃が安くなっていくことが考えられる。

米調査会社アーク・インベストメント社が発表したMaaSレポートによると、将来的にタクシー運賃は自動運転化により10分の1になると予測されている。人的コストが掛からず、車両の稼働時間も長くなることなどが理由だ。

運賃がこれだけ安ければ、自分で自家用車を保有して運転するよりも、自動運転タクシーを利用した方が良いと感じる高齢者も増えるはずだ。

ちなみに自動運転タクシーは米Waymoが2018年12月から商用展開しており、一部車両では安全要員すら乗せていない。中国でもIT大手の百度や配車サービス大手のDidi Chuxingなどがサービス展開や実証を進めている。すでにサービス自体は実現しているわけだ。


あとは徐々に運賃が安くなっていき、日本でも自動運転タクシーが普及すれば、免許返納が一定程度以上は進まなくても、高齢者の事故の問題は少しずつ解消されていくはずだ。

■日本でも徐々に自動運転タクシー実証が盛んに

日本国内でも自動運転タクシーの実証実験が徐々に盛んになりつつある。実用化・商用展開まではもう少し時間がかかるが、早めの普及に期待したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)





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