ZooxのエバンスCEOが語ったこととは?Amazon傘下の自動運転スタートアップ

ラスベガスなどの都市環境での展開に自信



出典:ブルームバーグ公式YouTube動画

米Amazonの傘下に入り、自動運転業界以外からも大きな注目を集めた米スタートアップ企業のZoox(ズークス)。そんなZooxは2020年12月に自社開発のロボタクシーを発表し、自動運転レベル5(完全運転自動化)を想定した車両として話題となった。

Zooxを現在率いているのは、2019年2月に最高経営責任者(CEO)に就任したAicha Evans(アイシャ・エバンス)氏で、米インテルに勤務していた頃に1万人近くの巨大組織を率いた「伝説の女性」とも言われる人物だ。


このEvans氏が2020年末、ロボタクシーの発表に合わせて米ブルームバーグ通信のインタビューに応じている。

■ロボタクシーの商用運行「まずは都市環境で」

Zooxが発表したロボタクシーについての詳しい説明は、以下の記事を参考にしてほしいが、ボディは全長3,630ミリ×高さ1,936ミリのコンパクトなボックスタイプで、ハンドルやブレーキなどを取り付けられていないことなどが特徴とされている。

【参考】関連記事としては「最高時速120km!Amazon傘下Zoox、攻めの自動運転タクシー用車両をお披露目」も参照。


エバンス氏はインタビューの中でロボタクシーについて「都市を移動するための車両」と説明した上で、ロボタクシーが実際に商用運行を開始した際の使い方について説明している。具体的には、アプリを使って乗車地点と降車地点を指定して1〜2分待つと、車両が到着するとしている。

ZooxがAmazonの傘下に入ったことから、エバンス氏は配送での活用についての質問も受け、「まずは人々を移動させます。そこには需要があるからです」と回答。いつ商用サービスを開始するかについては「私道と公道で実証実験をし、安全性を確認してから」と答えるにとどめた。最初に展開するエリアについては、ラスベガスやサンフランシスコのような都市環境だとした。

今後注力する点についての質問には「安全性が最も重要なパラメータ」と応じ、顧客に受け入れられるために重視する要素としては「Safe(安全さ)」「Clean(清潔さ)」「Enjoyable(楽しさ)」の3点を挙げた。

■「人々の想像よりずっと早い時期」が現実に

エバンス氏はその後の2021年3月、ロボタクシーの商用ローンチ時期について、2022年ではないものの、「人々の想像よりずっと早い時期」と語っている。


ハンドルやブレーキを搭載しない車両を自動運転レベル4(高度運転自動化)以上で商用運行するために、クリアしなければならない技術的なハードルは決して低くはないが、意気揚々と語るエバンス氏の口調からは、それが確実に近い将来実現することを強く思わせる。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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