「自動運転タクシー」や「自動運転車」、既に商標登録済み

将来の巨大市場、今後の登録増加は必至



自動運転タクシー」「自動運転車」「ゆっくり自動運転」など、「自動運転」とついた商標がすでに登録されているのはご存知だろうか。この記事では自動車の自動運転に関し、どのような商標が誰によって取得されているのかを紹介する。







■個人や大学、企業が取得したさまざまな商標

「自動運転タクシー」「自動運転車」は2016年4月に個人により商標申請されている。「ゆっくり自動運転」は、名古屋大学と岐阜大学の運営法人である東海国立大学機構が2016年7月に申請した商標で、低速度で人や社会と協調する自動運転技術のことを指している。

「自動運転EXPO」は日本最大級の見本市主催会社であるリードエグジビションジャパンが2017年6月に申請している。「自動運転AIチャレンジ」は自動車技術会によって2018年12月に申請された。⾃動⾞業界に関わるAI(人工知能)・IT(情報技術)技術者の発掘と育成が目的の大会名として使用されている。

2020年1月にはミサワホーム株式会社が「住まいの自動運転」「AIによる住まいの自動運転」を申請した。パナソニックとトヨタ自動車が街づくり事業に関する合弁会社を2020年1月に設立し、ミサワホームがその新会社の完全子会社となったことと関係がありそうだ。

■自動運転関連の商標登録は今後増加

自動運転市場は将来有望だとされ、米調査会社Grand View Researchの2020年の推測によれば、2030年における自動運転車の世界需要は420万台に上るとみられている。

自動運転車のクルマそのものだけではなく、自動運転車を活用したタクシーサービスやシャトルサービス、車内で展開されるエンターテインメントや広告などの市場も形成されることを考えれば、いかに自動運転の市場が大きいかが理解できるだろう。

そして自動運転の実用化が進んでいくにつれ、自動運転関連の商標登録はさらに増えていくとみられる。

ちなみに、クルマの自動運転とは関係ないが、みずほフィナンシャルグループが「みずほ自動運転銀行」「みずほ完全自動運転銀行」といった商標も取得している。こちらは、融資や運用の判断をロボットに担わせようという取り組みに伴うもののようだ。

商標登録情報は、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)から検索することが可能だ。一度、「自動運転」と入力して検索をかけてみてはいかがだろうか。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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