運転手いらずで走ることができる自動運転車。では、タイヤの空気圧などを誰がチェックするのだろうか。こうした課題を解決する技術の開発が着々と行われている。
住友ゴム工業株式会社(本社:兵庫県神戸市/代表取締役社長:山本悟)は2020年11月22日までに、自動運転レベル4(高度運転自動化)搭載の車両向けのモニタリングシステムを構築し、岐阜県岐阜市の公道において実証実験を行った。
モニタリングシステムは、無人車両のタイヤに装着したTPMS(タイヤ空気圧監視システム)でタイヤの空気圧をリモート監視し、異常があるとタブレット端末に知らせが入り、タイヤ整備店に通知がいく仕組みだ。
通知を受けた整備店は現場に行って補修対応し、パンクなどのタイヤトラブルを未然に防げるようにする。
■確実に将来求められる技術
今回のモニタリングシステムに関する共同研究は、2019年5月から群馬大学の「次世代モビリティ社会実装研究センター」(CRANTS)ともに取り組まれてきたものだ。
今回の実証実験は11月11〜15日に行われた「トランジットモール2020 公共交通フェスタ」にあわせて実施され、市街地を走る自動運転車に模擬的なパンクを発生させ、タイヤ異常のリモート検知、自動通知、タイヤの補修から自動運転の復帰までの一連の流れを検証した。
タイヤは道路との唯一の「接点」であり、突然のトラブルは重大な事故を引き起こしかねない。そのため自動運転車におけるタイヤのモニタリングシステムは非常に重要で、確実に将来求められる技術と言える。
自動運転車そのものの製造や自動運転の技術そのものの開発だけではなく、自動運転車の安全走行を影ながら支えるこうした「スマートタイヤ」の技術にも注目していきたい。
【参考】関連記事としては「自動運転見据えた「タイヤセンシング」最前線!TOYO TIREの取り組みは?」も参照。