女帝メルケル氏、自動運転実現へ積極外交 ボッシュ新拠点開所に笑顔

2021年までの任期中に道筋


ドイツのメルケル首相=出典:ドイツ連邦政府プレスリリース

2020年代始めに市街地の道路で自動運転車を実用化する計画を立てているドイツの自動車部品大手ボッシュ社。そのボッシュ社が2018年5月30日、ポルトガル北部のブラガに新技術センター開所式に出席した。ドイツを拠点に自動運転分野の研究開発をリードしてきたボッシュ社。開所式にはドイツのメルケル首相も出席し、自動運転技術のさらなる発展に向けたボッシュ社の取り組みを笑顔で歓迎した。

ドイツの歴史上で初めての女性首相となったメルケル氏は今から2年以上前の2016年4月、ドイツの自動車関連企業に対して自動運転車の走行実験に関する法的な障壁を取り除くと表明した。現在4期目のメルケル首相は2021年までの任期において、自動運転社会実現の道筋をつけることを目指している。







■中国とAI分野で協力体制構築

2018年5月24日には中国の李克強(リー・クォーチャン)首相と中国国内で会談し、自動運転の分野で両国が協力することで合意を得た。中国は国策としてAI(人工知能)開発に取り組んでいる。ドイツも自動運転技術とAI技術の開発に取り組んでおり、中国と協力することで自国の技術開発がより一層進むことも期待している。中国という巨大市場へのアプローチという意味合いもありそうだ。

一方で、ドイツ国内では中国との協力に懸念を示す層もいる。その背景にあるのが中国によるスパイ活動や中国に進出したドイツの企業に対する技術移転の圧力。ドイツと中国が協力体制を整える上では、メルケル首相がこれまで以上に神経を尖らせる必要もあるだろう。

ボッシュの自動運転開発と女帝メルケル氏の政治的手腕で、ドイツの自動運転業界の発展から益々目が離せない状況になりそうだ。

【参考】ボッシュ社の自動運転・AI開発については、「デンソーと覇権争う独ボッシュ、米シリコンバレーに自動運転・AIの新開発拠点」も参照。







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