システム開発大手のTIS株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役会長:桑野徹)はこのほど、過疎化・高齢化が進む静岡県浜松市天竜区佐久間町における「EVタクシー」の運行実験に対し、電気自動車(EV)やオンデマンド配車システムを提供することを発表した。
実証実験は2020年12月18日まで実施されるという。
■「日本版MaaS推進・支援事業」にも採択
このEVタクシーの運行実験は「浜松佐久間MaaS推進協議会」による取り組みで、交通利便性の向上や再生可能エネルギーの地産地消などを促進することが目的だ。国土交通省が進めるスマートモビリティチャレンジの「日本版MaaS推進・支援事業」にも採択されている。
実証実験は、音声自動応答電話(CTI)を活用したオンデマンド配車や前日乗車予約の仕組みや、タブレット端末で使えるMaaSアプリによって、高齢者や難聴者でもタクシーが簡単に呼び出せることが特徴。こうしたシステムとEVをTISが提供する形だ。
ちなみにTISは2019年8月、北海道厚沢部町で実施された地域交通やエネルギーに関するプロジェクトに参加しており、今回提供するオンデマンド配車システムはその際に使用したプラットフォームを改良したものだという。
■交通事業者の撤退相次ぐ中、地域住民の期待大
高齢化・過疎化の進む佐久間町では交通事業者の撤退が相次ぎ、住民の移動手段の永続的な確保が課題として挙げられていた。こうした背景もあり、地域住民にとっては期待感が大きい実証実験と言えそうだ。
TISは報道発表で「地域内のスマートコミュニティ事業・創エネ事業などの実現可能性の検証と、浜松市と協力して地域のエネルギー事業に対する支援の検討も行います」としている。
【参考】関連記事としては「TISの「MaaSプラットフォームサービス」、沖縄で活躍!実証実験で採用」も参照。
TISの「MaaSプラットフォームサービス」、沖縄で活躍!実証実験で採用 https://t.co/JgeqhcN4TX @jidountenlab #MaaS #TIS #沖縄 #電子チケット
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) February 24, 2020