3次元地図の技術開発を進める株式会社マップフォー(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:橘川雄樹)は2020年8月30日までに、名鉄タクシーホールディングスが所有するタクシー車両を活用し、高精度3次元地図を作成する実証事業を実施することを発表した。
実証実験はマップフォーと名鉄タクシーホールディングスのほか、名古屋鉄道と中日本航空、メイテツコムとともに実施する。
マップフォーは2016年9月に設立された名古屋大学発スタートアップで、オープンソースの自動運転OS(基本ソフト)「Autoware」を開発するティアフォーのグループ会社だ。
これまで3次元地図作成システムや位置推定システムの開発などに取り組んでおり、Autowareを活用した自動運転の実証実験支援などもティアフォーを連携しながら進めている。
■実証実験の概要は?
現在、自動運転に必要な高精度3次元地図の作成には「MMS」(モービル・マッピング・システム)と呼ばれる3次元計測システムが一般的に用いられているが、データ収集のためには高価なセンサーを車両に搭載する必要があり、コスト面が課題だった。
そこで、安価なセンサーで3次元地図を作成するマップフォーの技術と中日本航空が有する測位精度の高度化を実現する技術を組み合わせ、従来のMMSと同精度の3次元地図作成ソフトウェアを開発したという。
今回の実証事業では、愛知県内を走行するタクシーの車両にこの3次元地図用計測機器を搭載してデータを収集し、高精度3次元地図の作成に取り組むという。実施期間は2020年10〜12月を予定している。
■自動運転の実用化に欠かせない地図データ
自動運転の実用化には、地図データが欠かせない。今回発表された実証実験のように、地図データや位置情報などに関する取り組みは世界で加速しており、来たる自動運転時代に向けて、土台となる技術の進化がどんどん進んでいく。
【参考】関連記事としては「自動運転に必須の3Dマップ、どんなデータが集積されている?(深掘り!自動運転×データ 第23回)」も参照。