オープンソースの自動運転ソフトウェアを開発する株式会社ティアフォー(東京オフィス:品川区/代表取締役:武田一哉)は2020年8月4日、国内初となる自動運転のセーフティレポートとして「Tier IV Safety Report 2020」を公開したことを発表した。
このセーフティレポートは、ティアフォーの自動運転に対するアプローチや考え方、実証実験で得られた安全性に関する知見、今後の課題や対策などがまとめられたもので、全51ページで構成されている。セーフティレポートは以下から閲覧することが可能だ。
▼Tier IV Safety Report 2020
https://tier4.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/Safety-Report-Jpn-8_4-master_compressed.pdf
自動運転技術の検証方法や車両走行を伴うオペレーションの安全性対策、規制対応や許認可に対する提言なども含まれており、報道発表では「これまでの開発と実証実験のプロセスで見えてきた様々な課題についても形式知として広く共有しています」としている。
公開されているセーフティレポートは日本語版で、今後英語版も公開予定だという。
■2015年に創業、ビジョンは「自動運転の民主化」
ティアフォーは2015年に名古屋大学発のスタートアップ企業として創業し、オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware(オートウェア)」の開発などに取り組んでいる。
同社が掲げているビジョンは「自動運転の民主化〜誰もが自動運転の発展に貢献できるエコシステムの構築〜」で、自動運転ソフトウェアの開発などを通じ、社会課題となっている交通事故を減らしつつ、移動の利便性を向上させることなどを目指している。
これまでに同社は18都道府県の約50市区町村で約70回の実証実験を実施しており、海外でも現地パートナーとともに実証を積み重ねている。
報道発表では「自動運転の実現には大きな社会的価値があると信じています」とした上で、「今後も安全を最優先事項としながら、ディープテック企業としてより一層開発を加速させ、自動運転の民主化を目指して邁進してまいります」としている。
■セーフティレポート内ではODDの類型化も
日本国内だけではなく、世界からも注目を集める自動運転スタートアップのティアフォー。セーフティレポートでは、⾃動運転システムが安全に作動するための前提条件である「ODD」(運行設計領域)も類型化されており、業界関係者であればぜひ目を通したい内容だ。
※自動運転ラボは後日、ティアフォーが今回公開したセーフティレポートの内容を深掘りする記事を公開する予定です。
【参考】関連記事としては「ティアフォー、自動運転実証エリアを10倍以上に 113億円の使い道は? 加藤真平会長に聞く」も参照。