米Cerence、車内での音声決済が可能な「Cerence Pay」を発表 見据えるのは自動運転時代?

給油や駐車、通行料金などの支払いシーンで活躍



自動車向けAIの開発にも力を入れる音声認識大手の米Cerence(旧ニュアンス・コミュニケーションズ)は2020年8月4日、車内で安全に音声決済が可能な「Cerence Pay」を発表した。







同社はCerence Payを発表した背景として、車載音声アシスタントの需要が急増し、コンタクトレス決済の必要性が高まっていることを挙げている。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大で、こうした決済方式へのニーズが一層高まっているという。

すでにクレジットカード大手のVisaが、中欧地域でのペイメントパートナーとして参画しているという。

■Cerence Payで何ができる?

Cerence Payでは何ができるのか。同社は報道発表で「ドライバーのニーズを予測し、声紋や顔の生体認証を通じて購入意向の確認から認証、そして支払い処理までのシームレスな決済トランザクションを提供するように設計されています」と説明している。

具体的なCerence Payの利用シーンとしては、「給油」「食事とドライブスルー」「駐車」「通行料金」を例に挙げている。以下が同社が説明する詳しい利用シーンの説明だ。少し長いが利用シーンが思い浮かぶ内容となっているので、原文のまま紹介したい。

給油
〜通勤途中で給油する必要があるドライバーは、音声アシスタントに最寄りのガソリンスタンドへの案内を尋ねます。ガソリンスタンドに到着すると、ドライバーはポンプを選択し、車から直接料金を支払うことができます。またドライバーは、コンビニエンスストアのコーヒーや簡単な洗車を追加することも可能です。

食事とドライブスルー
〜仕事の後、ドライバーは夕食をどうするか考えています。音声アシスタントは関連する選択肢を提案し、必要に応じてレストランの予約を取ります。またドライバーは、料理を事前に注文して支払い、受け取って家に持ち帰ることもできます。

駐車
〜ドライバーが夕食のために繁華街に出かけた際、音声アシスタントは事前に路上駐車場がないことを知らせ、目的地から徒歩圏内に利用可能な立体駐車場を探します。空きを見つけたら、音声アシスタントは駐車区画の番号をドライバーに示し、支払処理を開始します。

通行料金
〜夕食から家に帰る途中で、ドライバーは有料道路を使うルートを通り、システムを利用して支払いを許可します。

すでにCerence Payについては、ドイツ自動車大手のアウディと提携し、今後、アウディの車両のヘッドユニットにCerence Payを搭載するプロジェクトも始まっているといい、実用化に向けた青写真はすでに描かれ、そして前に進んでいる印象だ。

■自動運転時代になると車内決済の機会は飛躍的に増える

自動運転時代になると、車内における決済機会は飛躍的に増えるとされている。これまで運転していた人の車内における滞在時間が「自由な時間」となり、EC(電子商取引)や映画視聴などの消費活動が活発化するとみられているからだ。

こうした将来を考えると、いまのうちから車内決済に関するサービスを開発することには、大きな有望性を感じる。

セレンスのアプリケーションズビジネス部門の幹部であるニルス・レンケ氏は「店舗と同じような素晴らしい決済エクスペリエンスを提供したい」と述べている。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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