AI(人工知能)サービス開発に取り組むITbookテクノロジー株式会社(本社:東京都港区/代表取締役:菊田志向)は2020年7月8日までに、日本財団の「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」に採択された「八ッ場スマートモビリティプロジェクト」において、水陸両用の自動運航・遠隔操作システムの技術開発を開始することを発表した。
群馬県長野原町の八ッ場あがつま湖で実施される「八ッ場スマートモビリティプロジェクト」では、AIと遠隔操作技術を駆使した水陸両用バスの自動運航実証を実施する。
実証実験の具体的な内容は、離着水・離着桟における位置推定と自動運航技術と、水上障害物検知と回避のための技術、ローカル5Gなどを用いた遠隔操作技術の検証だという。
実証実験には、自動運転バスの開発実績を持つ埼玉工業大学とローカル5G製品を提供するエイビット社が協力する。研究期間は2年間で、技術開発と実証を経て5年後の実用化を目指す。事業化も視野に入れているようだ。
■道路上にはない課題にも挑戦
実証実験に参加する埼玉工業大学は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」に2期連続で参加している。2019年4月に全国に先駆けてAI専攻を開設し、自動運転研究やAIエンジニアの育成に積極的な大学だ。
埼玉工業大学は今回、自動運転OS「Autoware」(開発:ティアフォー)をベースにした同大学の自動運転バス向けシステムを使い、水陸両用バスの運航システムを開発する。
道路上での自動運転とは異なり、水上での自動運航では、風や水流、水中障害物による自然環境の変化をダイレクトに受けるため、自動運転バスにはない制御技術も必要となりそうだ。
【参考】関連記事としては「三菱造船、無人運航船の実証実験を実施へ 日本財団の開発プログラムに採択」も参照。