ソフトバンク子会社として自動運転サービスの開発・提供を手掛けるBOLDLY株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長執行役員兼CEO:佐治友基)=旧SBドライブ=が、自社開発した自動運転車両の運行プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」が、初めて海外で利用開始されたことを発表した。
フィンランドのヘルシンキ市内において2020年4月から、Sensible 4製の自動運転車両「GACHA」がDispatcherと接続し、実証走行しているようだ。遠隔監視センターも設置され、営業運行を想定したものだという。
■DispatcherとGACHAとは?
Dispatcherは簡単にいえば、ドライバーの代わりに車両の運行状態を遠隔監視するシステムで、遠隔監視によって自動運転車両の安全な走行を可能にする。走行指示をはじめ、車内の安全確認や走行履歴の分析機能などを備え、これまでに自動運転車両14車種と接続済みだ。
一方のGACHAは、自動運転技術開発を手掛けるフィンランドのスタートアップ企業Sensible 4が開発したシャトルバスだ。大雨や霧など、どんな気象条件でも走行できる「全天候対応型」で、前と後の区別がない車体デザインとなっている。
車体デザインは無印良品でおなじみの日本の良品計画が担当し、2019年にはグッドデザイン賞に選ばれた。最大16人まで乗車でき、最大時速は40キロメートル、1回の急速チャージで100キロ以上の走行が可能なことが特徴だ。
■影ながら支えている技術にも注目
自動運転技術の開発競争は車両本体を構成する要素技術に目が行きがちだが、遠隔操作システムにも注目が集まっている。
これまでに国内でDispatcherを使った複数の実証実験を成功され、海外展開も果たしたBOLDLY。自動運転車両を影ながら支えている技術を開発する同社に今後も注目したい。
【参考】関連記事としては「国内初の”定路線”自動運転バス、半年延期も準備着々 BOLDLYが進捗発表」も参照。