中国:ライドシェアで殺された21歳女性客室乗務員 最大手DiDiの車内で何が…

相乗りサービスが抱える課題とは


乗せたい人と乗りたい人を仲介するライドシェア(相乗り)サービス。規制が厳しい日本国内においても米最大手のUber(ウーバー)社やアプリ開発企業などがサービス展開を模索している成長分野だ。







そんなライドシェアサービスにおいて、中国のライドシェア最大手企業である滴滴出行(DiDiチューシン)のサービスを利用した21歳の女性が、男性ドライバーに殺害される事件が発生した。

■事件はどのようにして発生したのか?

事件は2018年5月5日から6日の深夜にかけて発生した。

仕事を終えた女性客室乗務員のリーさんは空港から帰宅するため、DiDi社が提供する同一の目的地に向かう人が相乗りできるサービスを利用した。しかし家族には電車で帰ると連絡していたものの、翌日になっても自宅に戻ることはなかった。

父親が警察に通報したところ、電車には乗っていなかったことが判明した。また知人の話から、リーさんは帰宅途中に配車サービスを利用しており、ドライバーから不愉快な発言をされていることなどもわかったという。そしてリーさんは凶器や乗り捨てられた車の近くで遺体となって発見された。

容疑者はDiDi社のサービスにドライバー登録していなかったが、父親が持つドライバーアカウントを利用していたことが判明した。このサービスでは、不正行為を防止するためドライバーを確認する際に顔認証システムを導入しているが、これが有効に機能していなかったことになる。また報道などによれば、この容疑者として指名手配されたドライバーも12日までに遺体で発見されたという。

また、そのアカウントに対しては以前から苦情が寄せられており、ディディ社は連絡を試みていたがつながらなかったという。この事件を受け、ディディ社はシステムの欠陥を認めたうえで同サービスの提供を一時停止する対応を取った。また、中国当局も配車サービス業に対する管理を強化する方針を示している。

■日本におけるライドシェアの状況

日本においては、道路運送法で国土交通大臣の許可のない自家用自動車は有償で運送できないことが定められている。いわゆる「白タク」を禁止する内容だ。

このため、日本に進出しているウーバー社は個人ドライバーではなくタクシーやハイヤー会社と提携してサービスを展開している。ディディ社も2018年にソフトバンクと提携し、日本でのタクシー配車事業の確立を目指している。

また、独自のコストシェア型ライドシェアサービスを展開している国内企業もある。

notteco(ノッテコ)社は、あらかじめ日付けや出発地・目的地をドライバーが登録し、同乗者を募る形式のマッチングサービスを展開している。ドライバーは営利ではなくガソリン代などのコストをシェアすることが目的のため、道路運送法にも抵触しない。

■ライドシェアが抱える課題

白タク行為の蔓延や事故時の責任問題なども想定されるが、第一の課題はやはり安全面。見知らぬドライバーと利用者が車という密室をシェアする以上、それに伴う不安や危険性を払しょくしなければならない。例えばノッテコ社は、本人確認書類の提出や携帯電話・メールアドレスの認証プロセス、レビュー・評価機能の導入などにより問題のあるユーザーの利用を制限している。

道路運送法上、例外として交通空白地においては移動手段の確保という名目で市町村などによる運送は認められており、過疎化が進む地方にとってライドシェアの効用は大きい。また、2016年には、外国人観光客の交通手段確保などを目的に特区認定を受けたエリア内においてライドシェアの運用を認める国家戦略特区改正法が公布されるなど法整備に向けた動きもある。

今回の事件を受け、企業も国も今一度安全性に大きな焦点をあてて対策を強化してもらいたい。







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