米EV(電気自動車)大手のテスラが、いまの自動車業界の潮流とはさらに逆行する道を進もうとしている。イーロン・マスクCEO(最高経営責任者)はこのほど、駐車場に停めたテスラ車を呼び寄せる「スマートサモン」機能向けの地図データベースを自社で構築する方針を明らかにした。
自動車業界では「分業」が進んでいる。部品製造、システム開発、地図データ会社、セキュリティ会社というように、さまざまな企業が各役割を分担し、最終的に車両メーカーが自動車を完成させるという形だ。この潮流は自動運転車やコネクテッドカーの開発において、より顕著になっている。
しかしテスラは、駐車中の自動車を自動運転で呼び寄せるスマートサモン機能においては将来的に、現在使用しているGoogle Mapsベースのデータを使用しないようにするつもりらしい。自社の車両で集めたデータを使って独自のマップデータベースを完成させ、自社のサービスに適した使い方をできるようにするようだ。
このことは、Twitter上でマスクCEOが「Third Row Tesla Podcast」の以下のツイートに回答したことなどから知られることとなった。
This will happen
— Elon Musk (@elonmusk) April 13, 2020
■将来は自動運転システムの地図データベースも?
今回は「スマートサモン」機能に限った話のようだが、マスクCEOは将来的にはテスラが自社開発する自動運転システム「FSD」の地図データベースも自社で構築するつもりなのかもしれない。そしてもしそれが優れたものであれば他社メーカーへの販売もあり得る。
そうなればテスラは「車両メーカー」という顔と、デンソーのような「総合サプライヤー」という顔の両方を持つようになるかもしれない!?
【参考】関連記事としては「自動運転、テスラの戦略まとめ スマート・サモン機能導入!ロボタクシー構想も」も参照。