新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、人の体温を測るサーモグラフィが空港を含むさまざまな施設で設置されるようになっている。感染者の多い中国では、サーモグラフィ機能を搭載した自律走行ロボットが空港に導入されていることも話題になった。
日本でも今後の感染拡大が続けば、このようなサーモグラフィを搭載したロボットが街中を跋扈するような取り組みが行われる可能性もゼロではない。ただそのようなロボットにはさまざまな機能や技術の搭載が求められる。
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■どのような機能や技術が求められる?
まずは障害物を避けるための機能が必要だ。人とぶつかりながら自律走行するようでは、安全面から街中に導入することはできない。
障害物を避けるためには、「自動運転の目」と呼ばれるLiDAR(ライダー)センサーなどの搭載が必要となる。LiDARは、光を使ったセンシング技術で周辺の物体を認識できることが特徴だ。
次に必要となるのは「人が集まっているところ」を探す機能だ。せっかくサーモグラフィを搭載しても、効率的に人の体温を測っていかなければ活躍は限定的なものとなる。
この機能を実現するための仕組みとしては、一例として、施設の天井や屋外の高い場所に設置されたカメラなどとデータ通信を行い、人が集まっているところを見つけるといったシステムが考えられるだろう。
さらに、発熱した人を発見したときにはしかるべき人に通知する機能が必要となる。そのためには、例えば担当者のスマートフォンに自動的に連絡がいく仕組みなどを構築することが求められる。通信機能は必須だ。
■日本で導入されるかは未知数ではあるが…
今回の新型コロナウイルスの感染拡大で、こうした機能を搭載したロボットが日本で導入されるかどうかは分からない。ただ中国で既に導入されているように、技術的にはこうしたロボットの実用化は可能だ。
飛沫感染するウイルスに対する対策として、自動運転技術や自律走行技術の有用性を改めて感じさせる。
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