経路検索サービスを提供するジョルダン株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:佐藤俊和)がサイクルシェアリングシステムを提供する株式会社ドコモ・バイクシェア(本社:東京都港区/代表取締役:掘清敬)と提携し、「ジョルダン乗換案内」のiOS・Androidアプリでドコモ・バイクシェアを使った経路の検索に対応することが、2020年1月23日までに発表された。
MaaSの最終形は、さまざまな交通手段を一つのプラットフォームで検索・予約・決済できることと考えられている。そのため、今回のように経路検索可能な移動手段が増えることはまさに最終形へのステップアップであるといえ、関連業界にとっては注目ニュースだ。
今回のジョルダンとドコモ・バイクシェアの連携について説明すると、検索設定で自転車を使う設定をオンにすると、今回新たに追加される機能を活用することができる。実際に検索すると、これまでは徒歩のほか鉄道やバスを乗り継ぐ形の経路が表示されていたが、今後はバイクシェアの「ポート」で自転車を借りる(返す)ことも含めた上で最適な経路が提案される。
■国内で本格化するMaaSアプリのリリース
ジョルダン乗換案内は、経路検索アプリから今後は本格的なMaaSアプリへと昇華していくものと考えられる。MaaSアプリに経路検索機能は不可欠だ。既にこの機能を長く運用しているジョルダンはその点で他社と比べて非常に強い。
今後こうしたMaaSアプリは日本国内でも続々とリリースされることが考えられる。海外からのMaaSアプリの上陸も既にあり、世界で最も成功していると言われているフィンランド発のMaaSアプリ「Whim」は、日本国内で既に事業の取り組みを開始し、2020年にサービス開始を予定している。
Whimは海外では月額定額制(サブスクリプション)の移動サービスを展開しており、日本国内でもこうした「乗り放題」の仕組みが根付いていくのか注目されるところだ。
また最近ではトヨタが展開するMaaSサービス「my route」(マイルート)の動きも目立つものとなっている。現在は福岡市と北九州市で展開しているが、2020年春には神奈川県横浜市や熊本県水俣市、宮崎県宮崎市、日南市などに拡大する予定で、全国展開に向け利用可能地域が広がっていくだろう。
このほかにもJR各社などもMaaSアプリの開発に取り組んでいる。
【参考】関連記事としては「トヨタMaaS「my route」全国へ…待ち受ける「Whim」との決戦」も参照。
トヨタMaaS「my route」全国へ…待ち受ける「Whim」との決戦 https://t.co/qZ1x6roBHy @jidountenlab #トヨタ #MaaS #Whim
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) January 19, 2020
■2020年代はMaaSサービスの普及が本格化する
モビリティ関連のイノベーションとしては最近では自動運転などが注目されているが、MaaSは交通機関同士の連携や網羅性などが課題となるものの、法的な側面からは商用化のハードルは低めだ。
利用者の満足度が高いUI/UXを含むサービス設計が実現していけば、2020年代はMaaSサービスの普及が本格化するのは確実と言える。
【参考】関連記事としては「MaaS(マース)の基礎知識と完成像を徹底解説&まとめ」も参照。