地域版Maasで地方都市の交通問題を解決 NECソリューションイノベータや田谷会など

石川県小松市、介護施設利用者の声きっかけ



出典:NECソリューションイノベータ株式会社プレスリリース

NECソリューションイノベータ株式会社(本社:東京都江東区/代表取締役社長:杉山清)と株式会社いーじー(本社:石川県小松市/代表:吉田直樹)、医療法人社団田谷会(所在地:石川県小松市/理事長:田谷正)は2019年2月10日までに、石川県小松市内の交通課題解決を目的とした共同研究を開始すると発表した。

少子高齢化や過疎化が進む地方都市では、生活に必要不可欠な車の運転ができない移動制約者が増え、大きな社会問題となっている。自宅から商店などの施設までが遠い地域では、車が使えないと買い物などの際に家族や知人の手を借りなければならない。


田谷会が運営する介護施設でも送迎の利用者から「自宅と施設の往復だけでなく買い物などに立ち寄りたい」という希望があるが、法令などの理由により規定外のルートは通れないのが現状だ。

今回の共同研究では小松市内の交通課題解決のため、移動制約者が気軽に利用できる地域版Maasの開発を視野に入れているという。マイカーに代わる日常的な移動手段を確保し、使いやすいアプリケーションでサービスを容易に提供することで、誰もが気がねなく出かけられる街づくりを目指す。

■介護施設の利用者にヒアリング、アイデアソンも

3社は共同研究のスタートとして2019年2月4日から2月15日までの期間、田谷会が運営する介護施設の利用者にヒアリングを実施する。年齢や性別などの属性と、外出頻度、移動の方法まで含めて細かく話を聞くことで、現在小松市が抱える交通課題や移動ニーズを具体的に洗い出し、最適な移動サービスの構築につなげる狙いだ。

研究の開始に先立ち、2018年12月14日に小松市内でアイデアソンが行われ、市内の交通課題に関心を寄せる地元企業や学生が参加し、課題解決のためのアイデアを出し合った。地域の問題解決には、地元に暮らす人間から見た問題点やニーズの把握が必要不可欠だ。こうした取り組みは、同様の問題を抱える地方都市のよいモデルケースとなるだろう。


【参考】地方都市の交通問題への取り組みに関しては「政権の切り札…過疎地で2020年に自動運転バス運行 閣議決定」も参照。



関連記事