【最新版】トヨタのKINTO(キント)を徹底解説!月額料金や車種は?

通常路線と高級レクサス路線を展開





出典:トヨタ自動車プレスリリース

トヨタ自動車は2018年11月、クルマとの新しい関係を提案するサブスクリプションサービス「KINTO」を発表し、既に本格的な事業展開とサービス提供を開始している。テレビCMやニュースでこの新サービスの存在を既に知っている人も少なくないはずだ。KINTOの概要とともにサブスクリプションサービスの世界の動向を調べてみた。

■株式会社KINTOの会社概要

株式会社KINTO(キント)は、愛知県名古屋市西区に本社を構える。名前の由来は、必要な時にすぐに現れ、思いのままに移動できる「筋斗雲」をイメージしている。







資本金は18億円で、株主と出資比率は、トヨタファイナンシャルサービス株式会社が66.6%、住友三井オートサービス株式会社が33.4%となっている。

代表取締役社長はトヨタファイナンシャルサービス株式会社上級副社長の小寺信也氏が務めるほか、福留朗裕氏(トヨタファイナンシャルサービス株式会社社長)、長田准氏(トヨタ自動車株式会社国内販売事業本部副本部長)、加藤真一氏(住友商事株式会社自動車モビリティ事業本部長執行役員)、冨永政義氏(住友三井オートサービス株式会社取締役常務執行役員)がそれぞれ取締役に就任した。

事業内容は、自動車リース、自動車修理・点検、車両管理、中古車売買など、モビリティサービスに関わる一切の事業を行うこととしているが、やはり目玉は月々定額で新車を楽しめる「サブスクリプションサービス」だ。

■「KINTO」サービスの枠組み

頭金なしで、登録諸費用や毎年の自動車税、定期メンテナンス、任意保険などの手続きもすべてワンパッケージ化されており、店頭だけではなくネットからも申し込みや手続きが可能だ。メンテナンスや修理などのアフターサービスは、トヨタ・レクサスの正規販売店が実施してくれる。

サブスクリプションサービスには「KINTO ONE」と「KINTO SELECT」の2つのプランが用意されている。KINTO ONEについては公式サイトで「好きな車1台を、3年間お楽しみいただけるプラン」、KINTO SELECTについては「レクサス6車種の中から6ヶ月ごとにお好きな車をお選びいただき、3年間お乗りいただけます」と紹介されている。

以下でそれぞれのプランについて詳しく説明する。

■KINTO ONEについて

好きな車1台を3年間楽しめるプランで、気軽にカーライフを始めることが可能だ。頭金なしで、登録諸費用や税金、定期メンテナンス、任意保険などワンパッケージ化した月々定額制サービスとなっており、KINTOが厳選したオプションパッケージから好きなものを選ぶことができる。3年で乗り換えるため、ライフステージの変化に合わせて車種を選ぶことができるのが魅力だ。

▼KINTO ONEのサービスページ
https://kinto-jp.com/kinto_one/

車種は?

2019年8月中旬時点で、選べる車種はアクア、プリウス、クラウン、ヴェルファイア、アルファードの5種類となっている。公式サイトで車種を選ぶと、さらにグレードやカラー、オプションパッケージなどを選択する画面に進む。

月額料金は?

最も月額料金が安いのは「アクア」で、月額39,500円(+税)〜となっている。最も高いのはクラウンで月額87,000円〜。

■KINTO SELECTについて

さまざまなレクサスを楽しめる3年間契約サービスで、6カ月ごとに新車のレクサスに乗換えることができ、最大6車種を乗り比べることが可能。もちろん、気に入った一つのモデルを乗り続けることもできる。登録諸費用など月額料金に含まれるものはKINTO ONEと同じで、アフターサービスはレクサスの正規販売店が実施する。

▼KINTO SELECTのサービスページ
https://kinto-jp.com/kinto_select/

車種は?

RX450h version L、ES300h version L、RC300h F SPORT、NX300h F SPORT、IS300h F SPORT、UX250h F SPORTの6車種。グレード、オプション、カラーはすべてKINTO指定のものになる。

車の名義(所有者)はKINTOだが、レクサスに関する質問や相談、緊急時のサポート・手配など24時間365日受けることができる「レクサスオーナーズデスク」を利用できる。

月額料金は?

月額料金は一律18万円となっている。契約者の条件は20歳以上70歳以下で運転免許証保持者で、契約者以外の運転も可能。任意保険については、KINTO専用の任意保険がパッケージに含まれているため、これまで加入していた任意保険は「中断制度」を活用することが望ましい(中断制度の可否については保険会社による)。また、これまで乗っていた自家用車の下取りなども行わない。

2019年2月6日から、レクサス多摩、レクサス東大和、レクサス練馬、レクサス小石川、及びCPO店を除く東京都内レクサス販売店で先行サービスが開始されている。

■他社のサブスクリプションサービスについて

サブスクリプションサービスの展開は近年急速に広がっており、その火付け役は米自動車メーカーだ。

欧米におけるサブスクリプションサービス

米ゼネラル・モーターズ(GM)が2017年初頭に傘下の高級ブランドであるキャデラックでサブスクリプションサービス「BOOK By Cadillac」の開始を発表すると、米フォードも同年5月に傘下のキャンバスでサービスを開始した。フォードはリース車を活用した低価格路線を開拓している。

その後、ドイツ勢も相次いで参入しており、2017年11月に独ポルシェが「Porsche Passport」を北米で開始しており、月額2000~3000ドル(約22~33万円)でボクスターやマカン、カイエン、911などに乗ることができる。

独BMWグループは2018年4月に「ACCESS by BMW」を英国で開始することを発表。現在は北米でも展開しており、それぞれ月額料金や利用可能な車種などは異なる。

独メルセデス・ベンツは2018年6月から「Mercedes-Benz Collection」を北米で開始しており、1095ドル(約12万円)から2995ドル(約33万円)の月額料金でメルセデスベンツやメルセデスAMGのラインナップからさまざまな車種を選択できる。

独アウディは2018年9月から北米で「Audi Select」を開始しており、月額定価1395ドル(約15万円)で、A4セダン、A5カブリオレ、アウディQ5、アウディQ7、S5クーペの乗ることができる。

このほか、スウェーデンのボルボ・カーが「Care by Volvo」、英ジャーガー・ランドローバーが英国で「Carpe」をそれぞれ展開している。レクサスも2018年3月に開催されたニューヨークモーターショーで、米国内において新型UXにサブスクリプション導入を試験的に行うことを発表している。イタリア・米国をまたにかけるFCAも、北米で月額制でFCAの車両を使用できるサブスクリプションサービスを2019年から開始する予定という。スタートアップの参入も相次いでいるようだ。

日本におけるサブスクリプションサービス

日本国内では、中古車販売大手のIDOM(旧ガリバーインターナショナル)が中古車を月額定額で利用できる「NOREL」サービスを2016年8月に開始。2018年10月には、BMW日本法人との提携のもとラインナップにBMW・MINIの新車を加えている。

米国を中心に広がったサブスクリプションの波が世界に広がり始めているが、その一方、先陣をきったキャデラックは、2018年内にサービスを休止する方針であることが2018年11月8日までに報じられている。BMWも2018年8月、月各料金の引き下げを発表した。

過熱する競争によるものなのかビジネスモデルの構造そのものに起因するのかはわからないが、必ずしも順風満帆に事業が進むわけではないことだけは確かだ。

【参考】キャデラックのサブスプリクションサービス休止については「GMの高級ブランド「キャデラック」定額乗り換えサービス、採算取れず?休止か」も参照。

■サブスクリプションサービス多様化、新たな移動サービスへの進化も

中古車やエントリーモデルなどを活用した低価格路線や、あこがれの高級車に手軽に乗ることが可能な高価格路線、また数か月ごとに乗り換え可能なサービスや1年縛りなど、他社との差別化を図るべくさまざまなタイプのサービスが出揃ってきた。

日本国内における需要は読みにくいところだが、これまでの「自家用車は所有するもの」という概念を変えるものであり、今後、シェアリングサービスなどと融合して新たな移動サービスを生み出す可能性もある。

IDOMのように、中古車販売業を主軸としながらサブスクリプションサービスを手掛け、さらにカーシェア事業に本格着手する企業もあり、「自家用車」や「移動サービス」といったものに対する考え方が大きく変わり始める過渡期を迎えているのかもしれない。

トヨタも「自動車をつくる会社からモビリティ・カンパニーにモデルチェンジする」と宣言し、モビリティサービスの領域に事業の軸を移しつつある。その一つの形がKINTOであり、今後、サブスクリプションサービスにとどまらない進化を遂げていくことに期待したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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