ロボタクシーに挑む三銃士、「PRの腕前」もテスラ以下?

公開情報から比較してみると…



(左から)newmoの青柳直樹CEO、 Turingの山本一成CEO、ティアフォーの加藤真平CEO=出典:各社プレスリリース/自動運転ラボ撮影

WaymoやWayveといった海外勢の進出が計画されているロボタクシー。Pony.aiも日本進出をうかがうような協業を発表しており、2027年には各社の動きは目に見えて活発化することが予想される。E2E技術を駆使した世界最高峰のテスラのロボタクシーサービスからも目が離せない。

一方、国内開発勢はどうなのか。ティアフォーを筆頭にロボタクシー開発を進める企業は数社存在するが、いまいち技術開発の現在地が見えてこない。


ティアフォー、Turing、newmoの3社をピックアップし、公式発表や幹部による情報発信などを取りまとめ、各社の現在地を探ってみた。

編集部おすすめサービス<PR>
自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり)
「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今!
新車定額!リースナブル(車のカーリース)
お好きな車が月1万円台!頭金・初期費用なし!
車業界への転職はパソナで!(転職エージェント)
転職後の平均年収837〜1,015万円!今すぐ無料登録を
タクシーアプリは「DiDi」(配車アプリ)
クーポン超充実!「無料」のチャンスも!
編集部おすすめサービス<PR>
スクエアbang!
「最も安い」自動車保険を提案!
リースナブル
新車が月々2万円から!
パソナキャリア
転職後の平均年収837〜1,015万円
タクシーアプリDiDi
クーポンが充実!「乗車無料」チャンス
ジェイエイシーリクルートメント

■オフィシャルHPによる情報発信

ティアフォー:ロボタクシーは多岐に及ぶ事業の一角

加藤真平氏=撮影:自動運転ラボ

ティアフォーは、日本を代表する自動運転開発企業として長らく業界をけん引し、2026年7月には東京証券取引所グロース市場への新規上場も果たした。

事業領域は広く、オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」の普及を基軸に据え、自社開発した自動運転バスやタクシーなどのモビリティサービスや、拡張可能な自動運転ソフトウェアプラットフォームによって他社の開発を支援するデベロップメントサービス、教育プログラムやスターターキットや技術アセットなどを提供するソリューションサービスなどを展開している。

ロボタクシー開発は2019年に着手し、東京都内などで実証を重ねているものと思われるが、進捗に関する公式発表が少なく、最新状況はつかみにくい。事業が多岐に及んでいる点も要因に挙げられる。


以下、ロボタクシーに関する近年の公式発表をピックアップしてみた。

▼ティアフォーとnewmo、「日本発の自動運転タクシー」事業化に向け協業(2025年07月02日)
https://tier4.co.jp/updates/press-release/20250702
▼ティアフォー、ロボットタクシーの新型プロトタイプを発表 普及に向けて設計公開へ(2025年03月21日)
https://tier4.co.jp/updates/press-release/20250321-01
▼ティアフォー、お台場と西新宿でロボットタクシーのプレサービス実証を実施(2025年02月18日)
https://tier4.co.jp/updates/press-release/20250218
▼ティアフォー、モビリティDX促進のための無人自動運転開発・実証支援事業に採択 ロボットタクシーとトラックの開発を加速(2024年08月20日)
https://tier4.co.jp/updates/press-release/20240820
▼ティアフォー、東京都内の限定区画でロボットタクシーによるサービス実証を開始 2024年11月から広域で事業化へ(2024年05月20日)
https://tier4.co.jp/updates/press-release/20240520
▼ティアフォー、SusHi Tech Tokyo 2024で次世代ロボットタクシーのプロトタイプを展示 2025年に製品化へ(2024年05月15日)
https://tier4.co.jp/updates/press-release/20240515

お台場と西新宿でのプレサービス実証(2024年)では、約1,000キロを走行したようだ。同年度の実証の際、2025年にお台場を含む東京都内3カ所、2027年には都内全域を対象に、既存の交通事業と共存可能なロボタクシー事業を推進するとしている。

また、2027年度までに、ロボタクシーを新規導入する地域に対し、リファレンスデザインを活用することで3カ月以内に運用開始できるサービスモデルを構築するとしている。


2025年目標のロボタクシー事業推進は、あくまで推進であり実用化ではない。しかし、2027年度までに導入・運用開始できるサービスモデルを構築するとあるため、来年2027年に大きなマイルストーンを迎えるのかもしれない。

このほか、生成AI開発プロジェクトや日本交通との協業によるデータ収集など、関連するリリースもあるが、技術水準の近況に関するリリースは見当たらない。

Turing:ロボタクシーに関する公式発表はないものの……

出典:Turing公式サイト

Turingは、テスラ越えを念頭に完全自動運転の実現を目指す新進気鋭のスタートアップだ。当初は2030年を目標に自らによる完全自動運転EVの量産を目指す方針だったが、2024年ごろに同目標をいったん取り下げ、自動運転AIの開発にフォーカスしている。

この方針転換により、自動車メーカーなど他社との協業の道も大きく広がるものと思われ、自動車メーカーへの技術提供やロボタクシー開発などへの道も拓けたものと推測される。

今のところロボタクシー開発に向けた公式発表は行われていないが、同社幹部のSNSなどでは、その選択肢も視野に入っていることがうかがわれる。

いずれにしろ、同社が開発を進めるE2E技術は、「どこでも自動運転」を実現するものであり、ロボタクシーサービスに応用できる技術だ。ロボタクシーの正式事業化に期待したところだ。

▼Turing公式サイト
https://tur.ing/

newmo:ティアフォーらと協業し、本格開発に着手

持続可能な地域交通の実現に向け、2024年に設立されたnewmo。テクノロジーを駆使し、既存タクシー会社の経営力向上をはかっていく事業を軸に、2025年にはティアフォーなどとの協業のもと、ロボタクシー開発にも着手している。

現在、ティアフォーとKDDI、マクニカと協業しており、大阪府内を中心にロボタクシーを展開する計画を発表している。同事業を手掛ける開発チームnewmo Autonomyは、Autowareをベースにアルゴリズムの改善を積み重ねるなど、実用化に向けた取り組みを加速しているようだ。

以下、公式リリースをいくつかピックアップする。

▼newmoとティアフォー、「日本発の自動運転タクシー」事業化に向け協業(2025年7月2日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000137033.html
▼堺市とnewmo・未来都・堺相互、自動運転タクシーの実現に向けた連携協定を締結(2025年9月30日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000137033.html
▼newmoとマクニカ、自動運転実験車両の開発で協業開始(2026年2月4日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000137033.html
▼大阪市とnewmo・夢洲交通、自動運転タクシーサービスの実現に向けた連携協定を締結(2026年4月8日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000137033.html
▼newmo、都内初の自動運転タクシーの開発拠点「Autonomy Garage Tokyo」を東京流通センター(TRC)に開設(2026年5月29日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000137033.html
▼newmo、「堺市自動運転タクシー実装コンソーシアム」を共同設立。未来都・堺相互タクシー・KDDI・KDDI スマートモビリティ・関西電力が参画。(2026年8月5日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000137033.html

■オフィシャルブログ・SNS系

ティアフォー:YouTubeで実証動画がちらほら

ティアフォーの技術ブログは、2026年6月までMediumにも掲載されていたが、それ以後は自社公式サイトに一本化しているようだ。

技術ブログでは、自動運転データセットプラットフォームの実装事例や次世代自動運転のハイブリッド・アーキテクチャ、松尾研究所との共同研究プロジェクトにおける詳細な研究事例などが紹介されているが、ロボタクシーに特化した記事は見当たらない。

一方、YouTubeを見ると、自家用車ベースの車両で実証走行する様子や、E2E AIによる実証の様子を紹介した動画が見つかった。こうした動画を見ると、技術開発の現在地を垣間見ることができたようで臨場感を感じる。

▼ティアフォーの技術ブログ
https://tieriv.medium.com/(Medium)
https://tier4.co.jp/updates/tag/updates-002-%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC

Turing:YouTubeに実証動画を多数アップロード

Turingは公式サイトで、「チューリポ」と「Tech Blog」をそれぞれ公開している。チューリポは、対談・インタビュー形式を中心に自社事業を紹介するオウンドメディアで、Tech Blogはブログ方式でより細かく技術開発の内側を紹介している。

ロボタクシーを主体とした記事はなく、おそらく内容的にもほぼ触れられていないものと思われる。ただ、E2E自動運転開発の実態・実情を学ぶには非常に有用だ。

一方、YouTubeには走行実証の様子を収めた動画が多数アップされている。あくまで自家用車ベースの自動運転開発の一幕ではあるものの、技術の現在地がよくわかる内容と言える。

▼チューリポ
https://turipo.tur.ing/

newmo:YouTubeで走行実証動画を発見

newmoは、メディアプラットフォーム「note」で自社ブログ(記事)を展開している。社員の声が中心で、自動運転エンジニアも複数登場しているようだ。

CTOを務める曾川景介氏による自動運転事業の解説や、ライドシェアドライバーがデータ収集を行う同社ならではの取り組みなども紹介されている。

日が浅いためか実証に関する情報はほとんど見当たらないが、公式YouTubeに堺市内の様子を収めた動画が一本アップされているほか、「タクシー×AI×自動運転」の可能性について、投資家らの対談を交えた動画などをアップしている。

newmoの公式Xでは、プレスリリースやオウンドメディアの更新情報を中心に発信しているようだ。

▼newmo CTOが語る、自動運転の今と未来予測〜フィジカルAI・山の登り方・偶然と制約〜(2026年8月27日)
https://note.com/newmohq/n/n01d7310e2a89
▼【newmo Autonomy #1】ライドシェアドライバーが、自動運転を育てる。newmoが挑む「データ収集」の現在地(2026年6月18日)
https://note.com/newmohq/n/n29c0682eddbf

■代表を中心とした主要人物の個人SNSやブログ

ティアフォー:加藤CEOがXでロボタクシー関連の取り組みを紹介

CEOの加藤真平氏のXアカウントからは、以下の投稿が見つかった。

2022年ごろまではちょこちょこ触れていたようだが、その後は少し寂しい状況が続いている。最新の実証状況やオリジナルのロボタクシーモデルの紹介など、続報が待ち遠しいところだ。

Turing:山本CEOや田中COOがロボタクシーに言及

Turingは、CEOの山本一成氏と、COOの田中大介氏がそれぞれロボタクシーに言及している投稿が見つかった。

newmo:青柳直樹CEOが自動運転事業に言及

CEOの青柳直樹氏のXを拝見すると、技術的なものではなく、経営者として自動運転事業を推進する内容の投稿が散見される。

■【まとめ】積極的な情報発信で技術の現在地をPRしてほしい

検索サイトやSNSなどで「自動運転タクシー」「ロボタクシー」などと検索すると、多くの場合Waymoやテスラといった海外開発勢の情報が先に目につく。その情報量も圧倒的だ。

Turingは公式的にロボタクシー参入を公言していないため致し方ないが、自動運転開発の進捗を細かに発信しており、技術水準の現在地をつかみやすい。期待感の醸成にもつながっているものと思われる。

newmoは取り組みを開始してから比較的日が浅いため今後に期待したいところで、CTOを務める曾川景介氏らの情報発信に注目したい。

一方、ティアフォーは経験豊かながら、ロボタクシーに関する情報発信は少なめに感じる。自動運転バスなど各事業含め、技術の粋を感じられる情報をもっと発信してほしい……と正直思う。

どれほど高い技術開発力を持っていても、その技術力は目に留まらなければなかなか評価されず、機運も高まらない。自治体相手の自動運転バスなどとは異なり、ロボタクシーは民間(タクシー会社)やコンシューマーへのアプローチが重要で、社会受容性向上も必須となる。

SNS全盛のこのご時世、「隠れているけど実は凄いんです」という主張は、今後この業界では通らない。海外先行勢の評価が高いのは、実績もさることながら動画などを通じてその技術力の高さを感じることができるためだ。

国内勢が海外勢に押されていることは事実かもしれないが、「国内技術もこの水準に達している」ということをしっかりPRしなければ期待感は生まれず、なし崩し的にシェアを奪われ続けることになりかねない。

自動運転を前に進めるためには情報発信は非常に重要だ。公式リリースやSNSなどを見る限り、先行勢との差は歴然としているように感じる。「いや違う。そんなことはない」と言うのであれば、ぜひ積極的な情報発信で技術開発の現在地をPRしてほしい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事