トヨタe-Palette、販売目標「5年でたった1000台?」

2027年度にも自動運転実装開始



出典:トヨタプレスリリース

発売から丸1年が経過したトヨタの多目的モビリティ「e-Palette(イー・パレット)」。これまでの販売台数は数十台とされ、今後5~6年を目途に累計1,000台規模の販売を目指す方針であることが報じられた。

マルチパーパスEVとして、そして自動運転車としてトヨタの将来を背負って立つモデルだが、意外と目標は控えめに設定しているようだ。


e-Paletteの最新動向に迫る。

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■e-Paletteの最新動向

宝塚市内で実証、説明会でトヨタが販売目標に言及

日経新聞によると、兵庫県宝塚市内で始まった自動運転実証の説明会において、トヨタは5〜6年後を目途にe-Paletteの累計販売台数1,000台規模を目指す意向を示したという。

同市は2026年3月、パナソニックホームズと公民連携による付加価値創出型のまちづくりを進める団体「中山台エリアプラットフォーム」を立ち上げた。

この枠組みの中で、パナソニックホームズやネッツトヨタ神戸、プライムライフ テクノロジーズなどの参画のもと、e-Paletteを活用した実証を10月から11月末まで実施し、2028年度から新たなモビリティサービスを段階的に実装することとしている。ネッツトヨタ神戸の協力により、e-Paletteを導入することができたようだ。


5~6年後は、2031~2032年となる。参考までに、日本政府は2027年度までに無人の自動運転移動サービスを全国100カ所以上で実現する計画で、2030年度までにバスやタクシー、トラックなどの自動運転サービス用車両1万台導入を目指すとしている。

1万台という目標はなかなか厳しい数字だが、自動運転バスはすでにレベル4実用化域に達しており、ロボタクシーや自動運転トラックも2027年中に実用化が始まる見込みだ。海外からE2E技術も入り込み、自動運転車が目に見える形で普及を開始するフェーズに突入する。

そのような時期にもかかわらず、累計1,000台……というのは、さすがに謙虚過ぎるのではないだろうか。似たようなシャトルタイプを開発したアマゾン傘下Zooxは、すでに年間1万台生産可能な体制を構築済みで、ロボタクシーとしておそらく年間数千台ペースで実装していくものと思われる。

多目的用途のe-Paletteとフリート数を稼げるロボタクシーを同列には扱えないが、e-Paletteはバスやシャトルをはじめ、移動販売などさまざまな活用が可能である点を考慮すれば、需要を大きく伸ばすことができるのではないだろうか。


トヨタ自らの取り組みが呼び水に?

出典:トヨタ公式YouTube動画

あくまで「販売台数」が1,000台でも、国内導入数はそれを大きく上回ることも想定される。トヨタグループによる直営方式によるサービス展開だ。

e-Paletteが多目的に利用可能と言われても、第三者目線では導入に至る動機が乏しい。具体的イメージに欠けるのだ。

そこで、トヨタ自らが率先して直営サービスを展開し、e-Paletteのポテンシャルを広く周知することで、市場を開拓していくのだ。

e-Paletteのような未知のソリューションはなかなか火が付きにくいが、例えば誰かが無人移動販売に活用して成功し、大きな注目を集めた際、一気に普及が進む――といったことはよくある話だ。成功事例が具体化すると、右に倣えで導入を試みる人が大挙する。モノが良ければ、その流れは続き派生サービスが次々と生み出され、好循環へとつながっていく。多目的EVブームが到来してもおかしくはないだろう。

現在、グループにおいてはWoven Cityや車両製造拠点敷地内などで実証が進められているほか、取り扱い上一般販売枠と思われるがディーラー系列がe-Paletteを購入し、展示する動きもみられる。

トヨタ自身の取り組みが呼び水となり、e-Paletteの輪が広がっていく――そんな未来がまもなく訪れるのかもしれない。

自動運転実装は2027年度を予定

e-Paletteは2025年9月、さまざまなモビリティサービスに活用できるバッテリーEVとして販売開始された。

本来、e-Paletteにはハンドルなど従来方式の手動制御装置は備わっていないが、汎用性などを考慮し、通常の手動運転も行うことができるよう設計されている。現状、自動運転車ではなくレベル2相当の一般モビリティ扱いとなる。

2027年度にレベル4に準拠した自動運転システム搭載車の市場導入を目指すとしている。トヨタの車両制御インターフェースに対応して開発された開発各社の自動運転システムを搭載することで自動運転に対応することが可能となる。

一般購入者が自動運転車として使用する場合、別途開発企業を探さなければならないのか、トヨタが斡旋してくれるのか、その費用はどれほどなのか……など、詳細が気になるところだ。

サイズは、全長4,950×全幅2,080×全高2,650mmで、定員はドライバー含め17人となっている。最高時速80キロの走行が可能。トヨタ系ディーラー各社で販売・リース対応している。

メーカー希望販売価格は税込み2,900万円からで、環境省の「商用車等の電動化促進事業」補助金(1,583万5,000円)の対象となっている。実質1,400万円程度で購入できるようだ。

▼e-Palette特設サイト
https://toyota.jp/e-palette/

トヨタe-Palette(イーパレット)の価格・特徴は?自動運転機能は?

■【まとめ】2027年の動きに要注目

自動運転化もまもなく始まる見込みで、ティアフォーなどがすでにシステム統合に着手しているものと思われるが、開発事業者を交えどのような体制・対応となるのかなど、今後の続報を待ちたい。

当面はルールベースが中心となりそうだが、多目的利用を踏まえれば、E2Eによる柔軟な自律走行能力が付加されるとその効用も飛躍的に高まるものと思われる。

自動運転化に向け、2027年にどのように動きを見せるのか。それに合わせ、どのような需要が生み出されているのか。引き続き動向を追いかけたい。

【参考】関連記事としては「自動運転車の車種・モデル・価格一覧(タイプ別)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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