
米国で、Google(グーグル)傘下の自動運転タクシーを展開するWaymo(ウェイモ)が、新型ロボタクシーの投入を開始した。その車両は「中国製」で、新たに投入された車両は、自動車メーカーの中国・吉利控股集団(Geely Holding Group)傘下のEVブランド「Zeekr(ジーカー)」が開発した「Ojai(オーハイ)」だ。
まずはロサンゼルス、フェニックス、サンフランシスコで一部の利用者を対象に無料試乗を実施し、利用者の意見を反映しながら本格導入を進めるという。
Waymoは今後1年でロボタクシーの展開車両数を1万台まで増やすことを計画しているとみられ、徐々に既存車両がこの新型の中国製に車両が置き換わっていくとみられる。
2030年代には全世界のロボタクシー市場の規模が10万台に達する見込みもあるという見方もある中、こうしたロボタクシーへの車種の採用は自動車メーカーにとっては「世紀の大チャンス」。それを逃すとしたら相当残念なことといえ、自動車が基幹産業である日本にとっては、かなりの厳しいニュースだ。
「自動運転」という現代の経済戦争で、日本の「敗戦」は確定したのか。
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■中国製EVをWaymoが採用

Waymoは2021年にZeekrとの提携を発表し、2022年にはロボタクシー専用車両のコンセプトモデルを公開。その後、およそ2年間にわたり公道で試験走行を重ねてきた。
車両はスウェーデンで設計され、中国で生産される。完成した車両は自動運転装置を搭載しない状態で米アリゾナ州のWaymo工場へ輸送され、そこでWaymo独自の自動運転システムや各種センサーが取り付けられる仕組みだ。
■週50万回の運行で得たノウハウ投入
OjaiにはWaymoの第6世代自動運転システムを搭載。13台のカメラ、4基のレーザーセンサー、6基のレーダーに加え、周囲の音を検知するセンサーなどを備え、安全性を高めている。
このシステムはモジュール化されていることが特徴で、車種を問わず搭載できる設計となっている。WaymoはすでにHyundai(ヒョンデ)の「Ioniq 5」にも同システムを採用することを明らかにしており、今後さらに対応車種を増やす方針だ。
現在、Waymoは毎週50万回以上の有料ロボタクシー運行を実施しており、その運行データから得られた改善点が今回のOjaiにも反映されている。
■快適性と運用コストの両立目指す
Ojaiは乗客の快適性も向上させた。車内は床面をフラットにし、乗降口を低く設計。左右には大きなスライドドアを採用し、高齢者や荷物を持った利用者でも乗り降りしやすい仕様となっている。
さらに、車内には以下の設備を完備している。
- USB充電ポート / カップホルダー
- 広い足元スペース / 手すり / 点字表示
- 3つの大型ディスプレイ
一方、事業者側にもメリットがある。車内は清掃しやすい素材や構造を採用し、バッテリー容量の増加や急速充電への対応。部品交換が容易なモジュール設計によって、メンテナンス時間や運用コストの削減を目指している。
Waymoは現在、およそ3,700台のJaguar(ジャガー)製「I-Pace」をロボタクシーとして運用している。しかし、より大規模なサービス展開には、専用設計でコストを抑えた車両が不可欠だった。同社はOjaiの生産開始を皮切りに、年間数万台規模まで生産能力を引き上げる計画を掲げている。

■中国製EVの採用は業界にも影響?
Waymoは最近、工事区間での走行性能の改善を目的として、ロサンゼルスやサンフランシスコなどで高速道路上のロボタクシーサービスを一時停止したほか、洪水への対応で一部都市のサービスを休止するなど、課題への対応も続いている。
そのような状況の中で投入されるOjaiは、単なる新型車ではなく、Waymoがロボタクシー事業を本格的な量産フェーズへ進めるための重要な一台と位置付けられている。
特に注目されるのは、世界最先端の自動運転企業であるWaymoが、車両のベースに中国メーカー製EVを選択した点だ。自動運転の頭脳は米国、車両は中国という組み合わせは、急速に存在感を高める中国メーカーの競争力を改めて印象付ける出来事といえる。
今後、このモデルがWaymoの標準車両として普及すれば、自動運転市場だけでなく、世界の自動車産業にも少なからぬ影響を与えそうだ。
【参考】関連記事としては「Google/Waymoの自動運転戦略まとめ ロボタクシーの展開状況は?」も参照。












