実業家であるホリエモンこと堀江貴文氏が、ニュースアプリNewsPicksにて「うんこ改革レベル」とコメントした。コメントした対象の記事は、日本政府のライドシェア解禁の方針について報じた読売新聞の記事だ。
▼「ライドシェア」来年4月に大幅解禁…地域・時間帯を限定、タクシー不足解消狙い
https://newspicks.com/news/9338619
コメントは「うんこ改革レベル」という文言だけにとどまり、どの点を批判したのかは明確にはなっていないものの、日本政府が現在創設しようとしているライドシェアの新制度については、堀江氏と同様、批判のコメントが多く散見される。なぜなのか。
■「タクシー会社の運行管理下」が条件
日本政府が2023年度中、つまり今年度中に設けようとしているライドシェアの新制度は、「タクシー会社の運行管理下」でなければライドシェアが展開できない仕組みにする方針となっている。
ライドシェアは欧米や東南アジアなどでは、個人がギグワーカーとなって移動サービスを提供する仕組みが主流だ。気軽にライドシェアで稼げるからこそ、ライドシェアのドライバーのなり手も増え、大きな市場を形成するに至っている。
しかし、ライドシェアのドライバーとして働くために、わざわざタクシー会社と雇用関係(※業務委託で仕事を受託できるかもしれないが…)を結ぶ人はどれだけいるだろうか。
そもそもライドシェアの解禁は、タクシー不足といった課題の解消に向けたものとして検討されているが、タクシー会社と雇用関係を結ぶことなどがハードルになってライドシェアのドライバーになる人が増えなければ、あまり意味がないのではないか。
堀江氏もこうした政府の方針を残念がり、冒頭紹介した「うんこ改革レベル」というコメントをしたと思われる。NewsPicksではほかにも「大きな制約付きでの解禁だということで少しがっかり」「結局、タクシー会社が優先なんですね」といったコメントが寄せられている。
■段階を経て「全面解禁」も?
一方、日本政府は「段階」を経て全面解禁を目指しているものとも考えられる。
まずはタクシー会社だけがライドシェアに参入できるようにしたあと、段階的にタクシー会社以外も参入できるようにし、最終的に全面解禁に至らせるという流れを検討する可能性も報じられている。
段階を経て全面解禁をするのであれば、それまでの期間のことについてとやかく言い過ぎなくてもいいかもしれない。しかし、日本政府はこれまで何かと規制撤廃については後手後手になってきた前例が多いだけに、多くの日本人が今回のライドシェアの「解禁」方針について拒否反応を示しているのもうなずける。
いずれにしても、ライドシェア解禁の方針については、いままさに議論が行われている最中だ。引き続き、日本政府の動きをウオッチしていきたい。
【参考】関連記事としては「ライドシェアとは?(2023年最新版) 解禁・導入時期はいつ?」も参照。