自動運転技術は他社任せ!米Beepがロボシャトルサービス実用化

Navyaの自動運転シャトルを活用



出典:Beep公式Facebookページ

自動運転ソリューション開発を手掛ける米Beep(ビープ)は2023年5月2日までに、米カリフォルニア州で自動運転シャトルの運行をスタートすることを発表した。

サービスが開始されるのは、同州コントラコスタ郡にあるサンラモンという都市だ。同社はこれまでフロリダ州やノースカロライナ州、ジョージア州などの東海岸でサービスを展開していたが、西海岸への進出は今回が初となる。


■西海外初のBeepによる自動運転シャトル

Beepは、コントラコスタ交通局(CCTA)と提携し、サンラモンにある大規模ビジネスパーク「Bishop Ranch(ビショップ・ランチ)」でサービスを開始する。自動運転シャトルは、月〜金曜日の午前7時半〜午後5時半まで、このエリアで働く人や訪問者、住民が利用できる。4つの停留所からなるルートで、サンラモン・トランジットセンターや市街地、各企業のオフィスを結ぶという。

なお、ビショップ・ランチには世界的企業をはじめとする約500の企業が入居し、3万人以上が働いているほか、ショッピングセンターや多数の飲食店もある北カリフォルニア最大の複合ビジネスパークとなっている。

■技術開発と車両製造は他社任せ

報道によると、今回開始されるサービスでは、仏Navyaの自動運転シャトルを使用するという。LiDARやカメラ、GPS技術が搭載されており、最高時速約24キロで走行する。乗客は最大8人までで、安全のための保安要員も同乗する。16歳未満が乗車する際は、大人の同伴が必要になるようだ。


なお、Beepがこれまで他の州で展開していた自動運転シャトルサービスで使用していたのも、ほとんどがNavya社製の車両であった。Beepは自動運転技術の開発と車両製造は他社に任せ、自動運転ソリューションの提供を行っているということになる。

Beepが手掛けるのは、自動運転シャトル導入の計画立案や展開、管理などになる。具体的には、走行ルートの計画や規制当局への申請と承認、展開エリアでのあらゆる問題への対応、自動運転シャトル導入のためのエンドツーエンドの管理などだ。プロジェクト立ち上げからローンチまで、全てのプロセスにおいて主導する。

なお自動運転シャトルの走行中は、コマンドセンターで遠隔監視しており、常に各車両との通信や制御が可能なシステムになっているようだ。

■交通当局や大手企業と次々連携

Beepは米インテル傘下のイスラエル企業Mobileye、英高級車メーカーのベントレーとの協業を2022年2月に発表した。2023年までに米国の公共・民間コミュニティで走行させる自動運転車の開発と配備を目的としている。


また、今回提携したCCTAとは、2024年初めには2カ所目の場所で自動運転シャトルサービスを開始する予定があるという。交通当局や大手企業と連携し次々に各地でサービス展開を行う同社に、今後も注目していきたい。

▼Beep公式サイト
https://ridebeep.com/

【参考】関連記事としては「アメリカの自動運転最新事情(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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