自動車を保有する人を対象にしたアンケート調査で、興味深いデータが明らかになった。自動運転機能が発展していくことについて「悪いイメージがある」という回答した人は、わずか3.8%にとどまった。
世論が自動運転技術に期待するようになれば、企業も積極的に技術開発に資金を投じやすい。将来的な消費者の購買意欲にポジティブなイメージを持てるためだ。世論を追い風に、日本国内でさらに自動運転技術の開発が進んでいくか注目だ。
■「悪いイメージがある」3.8%
アンケート調査を実施したのは、比較サイトを展開する株式会社ウェブクルー。自動運転機能と搭載している自動車もしくは搭載していない自動車を保有する人に対し、2023年2月に実施した。調査人数は1,029人で、インターネット調査の形式で行った。
「今後、自動運転機能が発展していくことについて、どのようなイメージがありますか?」という設問に対し、「良いイメージがある」が32.2%、「やや良いイメージがある」が51.3%、「やや悪いイメージがある」が12.7%、「悪いイメージがある」が3.8%という結果だった。
ウェブクルーはプレスリリースの中で「今後、自動運転機能が発展していくことについては、合計で8割以上の人が良いイメージを持っていることがわかりました」と分析している。
自動運転に関してポジティブな声としては「もっと進むことで事故や渋滞が減れば経済循環も良くなると思う」「ドライバーのスキル関係なしに運転して出かけることができれば行動範囲が広がる」といった声があった。
■「社会受容性の醸成」は不可欠
厳密にいえば、「自動運転車」と呼ばれる車両は自動運転レベル3もしくはレベル4以上の車両だ。そのため、このアンケート調査では対象者について「自動運転機能と搭載している自動車を保有している人」(約501人)という表現をしているが、国内で展開されているレベル3以上の市販車はホンダの新型LEGENDのみと解されることが多いため、ADAS(先進運転支援システム)搭載車両の保有者も対象者に含まれているとみられる。
しかしこの調査で重要なポイントは、自動運転に前向きなイメージを持っている人が多いという点だ。自動運転社会の実現には「社会受容性の醸成」が不可欠であり、この点については日本国内では追い風が吹きつつあることを示す調査結果だと言えそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転、日本の利用率「10%」──あれ、高すぎない?」も参照。