ドイツの自動車大手BMWはこのほど、チェコ共和国のソロコフに自動運転車開発に向けた2つのテストコースを建設していることを発表した。BWMはこれを機に、自動車の電動化やデジタル化、自動運転技術の開発の勢いをさらに加速させる。
このテストコースのために投じた資金は約3億ユーロ(約408億円)で、コース内には6キロに及ぶ高速道路型のサーキットなどを備えるという。2023年の夏までに本格的な運用を開始する予定だ。なお、この敷地内では100人以上の従業員が勤務することになるという。
ドイツとチェコは隣合う国同士で、テストコースはBMWグループの主要開発拠点であるドイツのミュンヘンの研究開発センターから車で約2時間半の場所にあるようだ。
ちなみにBMWはすでに、ミュンヘン近郊のアッシュハイム、フランスのミラマ、スウェーデンのアルジェプローグにもテスト施設を構えている。
■世界各国でテストコース続々
近年、より自動運転車の実験を進めるために、世界各国で自動運転車のテストコースやテストシティなどが開発されている。
自動運転ラボでも過去に「シンガポールの『住めない自動運転の街』に仮想的に行ってみた」や「ミシガン大学の自動運転シティに(Google Earthで)行ってみた」などの記事で自動運転車の試験場を紹介している。
今回BMWが新たに建設したテストコースの詳細は公開されていないが、実際の道路状況を想定した「自動運転シティ」のようなものになるのではないかと想像できる。
BMWといえば、自動運転のシミュレーションソフトウェア開発のために米Ansysとの協業を2022年5月に発表し、技術開発を加速させようとしている印象だ。2022年中に市販車において、自動運転レベル3搭載車を発売したい狙いもあるようだ。
BMWの取り組みから今後も目が離さない。
【参考】関連記事としては「自動運転、欧州(ヨーロッパ)法律動向(2022年最新版)」も参照。