自動運転の重要シナリオ、網羅的に自動生成!NTTデータ子会社がソフトリリース

オープンソース版で得た知見を活用



出典:NTTデータオートモビリジェンス研究所プレスリリース(※クリックorタップすると拡大できます)

自動運転技術は仮想空間で進化している。テストコースを含めた実際の道路で実証実験を行うよりも、効率良く、かつ安全にさまざまなシチュエーションをテストできるからだ。もちろん現実世界での実証も必須だが、仮想空間でのテストは今後も並行して続けられていく。

こうした状況の中、自動運転のシミュレーションで実行すべき重要シナリオを網羅的に自動生成するソフトウェアが、2022年5月11日までにリリースされた。ソフトウェアの名称は「ZIPC GARDEN Automation(ジップシーガーデンオートメーション)」だ。


発表したのは、NTTデータ子会社のNTTデータオートモビリジェンス研究所(ARC)。デンソーなどが設立したJ-QuAD DYNAMICSなどとの共同研究成果として、このほどこのソフトウェアをリリースした。

ちなみにNTTデータオートモビリジェンス研究所は、NTTデータの自動車ビジネスグループにおける研究開発集団として、自動運転の研究開発を主に行っている。

■ビジネス版「ZIPC GARDEN」の第1弾

ARCは、自動運転システムの実用化に貢献する研究開発プロジェクト「GARDEN」を展開している。その成果として、オープンソース版の自動運転システム検証基盤ソフトウェア「GARDEN Scenairo Platform」を2021年6月にリリースした。

そして、同ソフトウェアの無償公開を通じて得られた知見や顧客のニーズを反映し、ビジネス版「ZIPC GARDEN」を展開。今回のZIPC GARDEN Automationはその第1弾となる。


2023年にはバーチャルシミュレーションソフト「ZIPC GARDEN Simulator」、2024年には市場走行モニタリング・学習ソフト「ZIPC GARDEN DevOps」をリリース予定だという。次世代車両の効率的な開発・生産に貢献することがねらいだ。

■オープンソース版で実験的な機能を試しつつ・・・

ZIPC GARDEN Automationは年額課金制のウェブサービスとして提供され、同時に、自動車メーカーやサプライヤーの開発環境に対応させるためのエンジニアリングサービスも提供する。

今後は、オープンソース版で実験的な機能を試しつつ、ビジネス版を充実させていくとのことだ。ARCの取り組みに、引き続き注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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