株式会社NTTデータオートモビリジェンス研究所(本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:中井章文)は2021年6月29日までに、自動運転システム検証基盤のオープンソースソフトウェア「GARDEN ScenarioPlatform」をリリースした。
NTTデータオートモビリジェンス研究所はNTTデータの子会社として、次世代モビリティに必要なソフトウェア技術の研究開発を手掛ける企業だ。
報道発表ではGARDEN ScenarioPlatformについて、次世代モビリティ社会に必要な機能群のソフトウェア化を推進する研究開発プロジェクト「GARDEN」の成果だとしている。
■有効かつ効率的な安全性検証を実現
GARDEN ScenarioPlatformは、自動運転ソフトウェアの機能動作シミュレーションで実行可能なシナリオを生成し、自動運転ソフトウェア開発においてのシナリオベース開発をサポートするものだ。
報道発表によると、実証実験などで得た走行データを分析・シナリオ抽出し、統計データからパラメーターの範囲の特定が可能だ。これにより、自動運転のソフトウェア開発における有効で効率的な安全性検証が実現するという。
GARDEN ScenarioPlatformについては、初回バージョンのソースコードをプログラム共有サイト「GitHub(ギットハブ)」ですでに公開している。URLは「https://github.com/open-garden/garden」だ。ソースコードは、ライセンス条項に同意すれば利用や改修が可能だ。
今後は、GARDEN ScenarioPlatformの開発促進に賛同する事業者と連携しながらオープンソースソフトウェアの活用を促進し、バージョンアップ版を継続してリリースする予定のようだ。
■オープンソースでの公開による進化に期待
NTTデータオートモビリジェンス研究所については、自動運転ラボの「第2回自動運転AIチャレンジ」に関する記事でも、以前紹介したことがある。同研究所の所属チームがトヨタ自動車チームやなどを抑えて最優秀賞を獲得したからだ。
【参考】関連記事としては「第2回自動運転AIチャレンジ、優勝はNTTデータチーム!コロナ禍のためオンライン上で実施」も参照。
こうしたことからも分かるように、NTTデータオートモビリジェンス研究所は自動運転に積極的にアプローチしていることが分かる。
そんなNTTデータオートモビリジェンス研究所が今回、GARDEN ScenarioPlatformをオープンソースで公開したわけだが、近年、モビリティ業界ではオープンソースで公開することによって利用の促進や技術の向上を促す潮流があり、まさにその潮流に合う形だ。
さまざまな企業や研究者に活用されながら、GARDEN ScenarioPlatformがどのように進化していくのか、注目していきたい。
【参考】関連記事としては「車載器やスマホで個人の1日を把握→最適なレコメンド デンソーとNTTデータが実証」も参照。