米Appleが自動運転EV(電気自動車)の開発において、日本のトヨタ自動車との提携を模索しているとの噂が、米メディアでささやかれはじめている。
米メデイアの報道によると、Appleは自社ブランドの自動運転EVを2024年から生産することを目指す中で、大量生産の委託先を現在探しており、アジアを含む世界の各自動車メーカーと話し合いを続けているという。
そしてその自動車メーカーの中には、日本のトヨタも入っているとされている。
■委託先は自動車メーカー?FoxconnなどのEMS?
自社工場を有していないAppleは、製品開発やデザインのみを手掛ける「ファブレス経営」で知られている。例えばiPhoneやiPadの製造は台湾のFoxconnに委託している。FoxconnはEMS(電子機器受託生産)の世界最大手だ。
iPhoneとiPadと同じような仕組みで自動運転EVを製造する場合、EVの組み立て能力を有する自動車メーカーは当然、パートナー候補に挙がる。そのため、Appleがトヨタと提携を模索していても不思議はない。
ちなみにAppleの自動運転EVについては、Appleが韓国の現代自動車や傘下の起亜自動車と開発協力について協議していると韓国メディアが報じているが、すぐに両社ともその報道を否定している。
また自動車メーカーではなく、FoxconnのようなEMSが製造を請け負う可能性もある。特にFoxconnはすでにiPhoneの製造を請け負っており、世界最大規模のEV工場を建設する計画も発表していることから、製造の委託先になる可能性は高そうに感じる。
■車載電池では中国のCATLやBYDと協議?
ちなみに車載電池の調達については、中国の電池大手である寧徳時代新能源科技(CATL)と比亜迪(BYD)の2社と協議していると、ロイター通信が2021年6月に報じている。
Appleは正式には何も発表してはいないが、Appleとこの2社については、車載電池の生産拠点を米国内に建設することについて協議しているとの情報もある。
■【まとめ】秘密主義を貫くApple、気になる進捗
Appleが開発する自動運転EVがどんな名称になるかは分からないが、すでに「Apple Car」といった言葉を使い、さまざまなメディアが開発の行方を追っている。
ただし、数年前から実証実験をカリフォルニア州などで繰り返し実施しているものの、Appleから自動運転EVの開発について公式な発表はない。秘密主義を貫いているのだ。こうした背景もあり、さまざまな噂や憶測が飛び交う状況となっている。
さて、Apple Carの製造をトヨタが受託することはあり得るのか。水面下でどのような協議が行われているのか、非常に気になるところだ。
【参考】関連記事としては「Appleの”極秘”自動運転プロジェクト、判明情報を一挙まとめ」も参照。