自動運転バスの実証実験が各地で行われているが、バス車両の区分けとしては「小型」「中型」「大型」があり、どの区分のバスの実証実験なのかにも注目したいところだ。
サイズが大きくなるほど座席数も増え、実際に運行した際の事業性も高まりやすい。そのため、国もこれまでは「小型バス」での実証実験に力を入れてきたが、2020年度からは「中型バス」での実証実験に取り組み始めている。
そして民間ではすでに「大型バス」の自動運転の実証実験も始まっている。その1つが、深谷観光バスと埼玉工業大学の取り組みだ。
■深谷観光バスと埼玉工業大が新たに営業路線で導入
深谷観光バスと埼玉工業大学は2021年4月末から、「渋沢栄一 論語の里 循環バス」において、大型自動運転バスを導入している。
「渋沢栄一 論語の里 循環バス」とは、近代日本経済の父・渋沢栄一の生き様を描くNHK大河ドラマ「青天を衝け」の放送開始に合わせて2021年2月から運行が始まったもので、渋沢栄一の関連施設などをめぐる観光客の足となっている。
循環バスの1台目としては自動運転マイクロバスが導入され、4月末から大型自動運転バスも導入された形だ。約8キロを自動走行し、2022年1月10日までの運行予定だという。大型自動運転バスの営業運行は埼玉県内では初だ。
■2019年に公道で初実証、2021年に入ってより盛んに
大型路線バスの公道での実証実験が国内で初めて実施されたのは、2019年1〜3月だ。舞台は沖縄県で、この際は内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「自動走行システム」が実証実験を実施している。
その後も各地で大型自動運転バスの実証実験が散見されるようになり、2021年2月には全日本空輸(ANA)が羽田空港で、従業員の移動用に大型電気自動運転バスを使う試験運用を実施している。
ちなみに東日本旅客鉄道(JR東日本)も2021年に入り、BRT(バス高速輸送システム)専用の大型自動運転バスで実証実験を実施している。神奈川県で路線バスを運行する相鉄バスも2021年夏に、大型自動運転バスを公道で営業運行させる実証実験を実施する予定だ。
【参考】関連記事としては「相鉄バス×自動運転、また前進!公道での営業実証控え試験走行に成功」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) April 18, 2021
■【まとめ】「大型バス×自動運転」は今後よりホットに
大型バスは車両が大きいため、より安全・安心への取り組みの重要度は増す。一方でバスの省人化によって人的コストが削減でき、大型バスであれば旅客の高い輸送効率も期待できる。「大型バス×自動運転」は今後よりホットなマッシュアップになっていきそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転バス、最新動向まとめ!2020年の実証実験は既に10件超」も参照。