中国の大手スマートフォンメーカーである小米(シャオミ/Xiaomi)は2021年3月30日、ビジネス領域を「Smart Electric Vehicle」(スマート電気自動車)に拡大すると発表した。
報道発表によれば、スマートEVの生産に向けてまず100億元(約1,690億円)を投じ、今後10年間で合計100億ドル(約1兆1,000億円)を投資する計画だという。報道などによれば、小米はEV参入の具体的な検討を2021年1月ごろから開始していたという。
報道発表では「自動運転」については直接は触れられていないが、報道発表では自社で保有するソフトウェアとハードウェアのインテグレーション(統合)に関する豊富な知見を強調しており、将来の自動運転化を見据えているのは確実だと考えられる。
小米は自社の「パワフルなブランド力や強固な顧客基盤」(報道発表)についても強調しており、これまでの事業実績をテコにEVの分野で確固たる地位を築くことを目指すつもりのようだ。
気になるのがいつごろから生産が開始されるかだ。具体的な時期については明言されていないが、雷軍CEO(最高経営責任者)がこれまでにプロジェクトには最低3〜5年が掛かる旨を述べている。
■2015年にも自動運転車開発に関して報じられる
小米については2015年、自動車事業に着手していると報じられた。同社の特許申請文書から明らかになったもので、運転補助技術なども文書の内容に含まれていることから、自動運転車の開発を目指していると当時推測されていた。
ただ当時は小米はこの件については特にコメントせず、それ以前にも自動車事業への参入については明確に否定していた。
しかし2021年2月、同社はEV分野への参入を検討していることが発表し、参入する場合は雷CEOがプロジェクトを直接主導する予定であることが明らかにされた。そして3月30日、スマートEVに参入することが公式に発表された。
■中国におけるEV競争が過熱
中国においては2020年11月、ライドシェア最大手の滴滴出行が独自のEV車両をライドシェア用に発表した。アリババも大手自動車メーカーの上海汽車集団とタッグを組んでEVブランドをスタートさせる計画を立てている。
このように非自動車企業のIT大手などがEV領域に続々と進出している背景には、中国政府がEV推進を強力に進めていることや、米EV大手テスラが中国事業を強化していることがある。中国におけるEV競争が今後さらに過熱していきそうだ。
【参考】関連記事としては「中国・百度、自動運転の大本命に!吉利と最新EV車両製造へ」も参照。