大手通信機器メーカーの中国ファーウェイ。自動車分野での事業展開も目立ち始めており、中国メディアによれば、2020年10月に開催した製品発表会で、スマートカーのためのフルスタックソリューション「HI」を発表したという。
このHIを通じ、自動運転車に必要なコネクテッド技術やセンサーなどを自動運転車の製造企業に対して提供していくようで、ファーウェイは自動運転車自体の製造というより、「車体以外」で勝負していく考えのようだ。
ちなみにファーウェイは2020年5月、次世代通信規格「5G」に関して自動車メーカーなど18社と提携すると明らかにしている。自動運転では高速・大容量に耐えうる通信技術が必要となり、自動車メーカーが通信機器大手と組むのは必然的な流れだ。
ファーウェイは江蘇省で自動運転ネットワークの共同研究所を設立したことも発表している。この研究所では自動運転ネットワークの実用化を加速させる取り組みを行うようだ。
■LiDARの開発にもすでに着手、1ユニット200ドル台で提供へ?
LiDARに関しては2020年8月、ファーウェイが「自動運転車の目」となるLiDAR(ライダー)の開発にも着手することに関し、報道があった。LiDARの1ユニット当たりのコストを500ドル台、さらには将来的に200ドル台まで下げる計画のようだ。
LiDARは自動運転のためのセンサーとして必要不可欠なものとなっているが、そのコストの高さがネックになっている。低価格LiDARの開発を進めている企業は増えているが、その低価格競争にファーウェイも乗り出す形となる。ちなみに米Luminarは500ドル台のLiDARを既に発表している。
このように、ファーウェイが自動運転車の車体製造以外で勝負するとなると、日本のデンソーやドイツのボッシュなどの競争相手になることになる。2020年における中国コンシューマー・エレクトロニクス企業番付で1位のファーウェイが、今後自動車分野でどこまで存在感を高めてくるのか、注目だ。
【参考】関連記事としては「中国ファーウェイ、独アウディと自動運転レベル4の走行実験に成功 ボッシュとも提携」も参照。