完全自動運転時代は、ペダルやハンドルなどもなくなり、車内デザインが大きく刷新される。さらに、人間が運転をする必要もなくなり「可処分時間」が増える。そうなれば、車内でエンターテインメントの提供が盛んに行われるようになると考えられる。
そうした未来を感じさせる報道発表があった。車載部品大手のアルプスアルパイン株式会社(本社:東京都大田区/代表取締役社長:栗山年弘)はこのほど、オンラインで2020年10月20日から開催される「CEATEC 2020 ONLINE」に出展し、「天井ディスプレイ」などを展示すると発表した。
天井をディスプレイにするという発想は従来の自動車では生まれなかったし、運転手の気を紛らわせる可能性も考えれば、あまり推奨されるものでははずだ。ただ完全自動運転時代を考えれば、まさにピッタリの製品であると言える。アルプスアルパインの先見の明が光る。
■「デジタルキャビン」の一部として展示
天井ディスプレイは、国内初展示となる「デジタルキャビン」の一部として展示される。このデジタルキャビンは天井大画面ディスプレイのほか、それぞれの乗員に音を響かせる「ゾーンサウンド」などを特徴としているという。
アルプスアルパインはこのデジタルキャビンについて、「後部座席まで含めた乗員ぞれぞれの五感に訴えかけ、豊かで上質な快適移動空間を創出する次世代自動車向け提案です」と説明している。
自動運転時代も自動車は移動が主目的となることは変わりないが、車内での過ごし方は大きく変わっていくことが考えられる。その1つがエンターテインメントであり、コンテンツを提供するための車載製品が今後続々と登場することが考えられる。
アルプスアルパインの天井ディスプレイを使えば、例えば街の明かりで星空が見えない都心においても、その場所・その時間で見えるはずの星空を天井ディスプレイに疑似的に映し出し、ミニ・プラネタリウムを楽しめるようになるかもしれない。
【参考】関連記事としては「アルプスアルパイン、スウェーデンAcconeerと次世代センシング技術を共同開発」も参照。