2021年度中に幹線道路約2万3000キロを高精度3次元地図化する——。こうした国の目標が判明した。首相官邸で開催された第40回未来投資会議(2020年7月3日開催)の配布資料の中で言及されている。自動運転の実用化の準備を高速道路以外でも進めていくためだ。
この点が言及されている資料は「令和2年度革新的事業活動に関する実行計画案」。この資料における「自動運転の社会実装に向けた取組の加速」で、自動運転の基盤にもなる3次元データの取得を一般道でも進めることが示されている。
▼令和2年度革新的事業活動に関する実行計画案(該当ページはP78)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai40/siryou1-2-2.pdf
■高精度3次元地図データ、そしてダイナミックマップへ
システムが運転操作を担う自動運転では、高精度3次元地図データは不可欠だ。そしてこのデータをベースに「動的情報」(歩行者情報や信号情報)などを加えたダイナミックマップが作製され、実際に自動運転車で活用されるようになる。
国は「公道での地域限定型の無人自動運転移動サービス」を2030年までに全国100か所以上で実現することを目指し、幹線道路の高精度3次元化を急ピッチで進めていくという。
この資料ではこのほか、地図と地殻変動による現実のズレをリアルタイム補正するシステムについて、2021年度までに実装するという目標も掲げられている。
【参考】関連記事としては「【最新版】ダイナミックマップとは? 自動運転とどう関係? 意味や機能は?」も参照。
自動運転AIの羅針盤…ダイナミックマップ完全解説&開発進捗まとめ トヨタ自動車や日産なども軒並み出資、イノベーション支える必須データ|自動運転ラボ https://t.co/v2RgYWhShp @jidountenlab #自動運転 #羅針盤 #新たな地図
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) September 23, 2018
■自動運転社会に向けた準備が着々
日本では道路交通法などの改正によって自動運転レベル3(条件付き運転自動化)が2020年4月に解禁され、自動運転社会に向けた準備が着々と進んでいる。幹線道路の高精度3次元地図化もその一環だ。
ちなみに第40回未来投資会議には安倍晋三首相も出席し、自動運転などを含むモビリティ分野などにおいて、将来の規制像の在り方について検討を開始することなどに触れている。
【参考】関連記事としては「自動運転レベル4のサービス、2025年度に40カ所以上で 国がロードマップ最新版発表」も参照。