海外メディアの報道によれば、カリフォルニア州公共事業委員会(CPUC)は2020年6月14日までに、ライドシェア大手のウーバーやリフトの運転手を「従業員と見なす」と決めた。
単発で仕事を受ける労働者「ギグワーカー」に対し、企業が傷害休暇や医療保険などを付与するルールを決定した格好だ。つまり、ドライバーたちは従業員とみなされ、企業はそれ相当の待遇をしなければならなくなる可能性が高そうだ。
カリフォルニアに本拠を構える企業には、食品配達サービスを手掛ける「ドア・ダッシュ」などギグワーカーを担い手に事業を拡大してきた企業が少なくない。そんな中でギグワーカーの「適切な権利」をめぐって、州議会による議論が過熱していた。
従業員がギグワーカーを従業員として扱う場合、企業によっては事業コストが30%上がる可能性も指摘されている。
■ギグワーカーの労働条件をめぐる問題
これまで同州で働くギグワーカーらは、企業から不当な扱いを受けているとして、企業側に労働条件の改善を求めてきた。2019年5月には、ウーバーやリフトのドライバーが労働条件の改善を訴え、アメリカ全土で抗議活動が起きている。
賃金の低さや収入の不安定さ、雇用保険に入れないこと、経費が自己負担になることなどがギグワーカーたちにとっては不満だった。2019年10月にはウーバーイーツの配達員によって労働組合「ウーバーユニオン」が結成されている。
■他の州、他の国で議論加速の可能性
ギグワーカーは世界的に急増しているが、その権利はあいまいだ。こうした中、カリフォルニア州は世界的に先駆けてこの問題に着手している。今回の決定が他の州もしくは他の国での議論を加速させる可能性は大きい。
【参考】ライドシェアについては「ライドシェアとは? 意味や仕組み、ウーバーなど日本・世界の企業まとめ」も参照。