トヨタグループの愛知製鋼株式会社(本社:愛知県東海市/代表取締役社長:藤岡高広)は2020年5月14日までに、超高感度磁気センサ「MIセンサ」を用いた自動運転支援技術「磁気マーカシステム」のブランドロゴを制定したことを発表した。以下がロゴだ。
新たなロゴの文字列は「GMPS」となっている。「G」はグローバルのGとMIセンサの海外名称「GMIセンサ」のGを意味し、「MPS」は磁気マーカシステムの英訳(Magnetic Positioning System)だ。
同社はデザインの特徴として、悪天候下やGPS電波が届きにくいトンネル内などでも正確な位置情報を提供する最新技術を表現したシャープな書体と、「人々の道しるべとなる磁気マーカ」を表現した「G」の文字上で磁石を見立てた矢印をつけたことを説明している。
■磁気マーカを使った実証実験、続々実施
磁気マーカシステムとは、車両底部に取り付けた磁気センサーモジュール(MIセンサモジュール)を使い、走路に沿って敷設した磁気マーカから発する磁力によって自車位置を測定するシステムのことだ。このシステムにより、磁気マーカー上を走行する形の自動運転が可能となる。
同システムを活用した自動運転は、AI技術などを活用した完全自立型の自動運転技術と比べて自由度は低いものの、安全性・堅実性に優れているのが特徴だ。
これまでに同システムを使った数々の実証実験が実施されている。2019年1月には、羽田空港の制限区域内で磁気マーカを使った自動運転バスの実証実験を実施した。
2019年2月には、東京都の多摩ニュータウンで行われた自動運転バスの実証実験に技術協力した。磁気マーカーシステムは決まったルートを走行する路線バスとの相性が良い。同実験では1.4キロの区間に磁気マーカを2メートル間隔で敷設し、自動運転バスがマーカ上を走行した。
2019年5月には、北海道大樹町の道の駅「コスモール」を拠点に行われた自動運転サービスの実証実験に参加し、約70メートルの距離に1メートル間隔で磁気マーカを埋め込み、正着制御などの検証を行った。
■【まとめ】実用化に向けた歩みは順調
完全自立型の自動運転技術に注目が集まる一方で、決まったルートの自動運転を実現する磁気マーカ技術にも期待が寄せられている。コスト面や制限された区域内の安全性に長けており、路線バスを中心とした活用が見込まれている。新たにロゴを制定した愛知製鋼。実用化に向けて、その歩みは順調のようだ。
【参考】関連記事としては「愛知製鋼、北海道の道の駅での自動運転実証に技術協力 「磁気マーカシステム」で」も参照。