新型コロナウイルスによる新型肺炎の感染拡大が、世界的な社会問題となっている。日本政府は中国・武漢市へ民間チャーター機を既に4便往復させ、同地域の在留邦人を帰国させている。
こうした感染地域にチャーター機を飛ばすときに懸念されるのが、チャーター機のパイロットや客室乗務員、政府関係者への感染拡大だ。今回の新型コロナウイルスのケースでは日本政府はチャーター機を飛ばすことを決めたが、さらに危険を伴うケースではチャーター機を飛ばせないことや陸路での往復ができないことも考えられる。
例えば、原発事故による重篤な放射能被害を受ける可能性がある場合や、さらに致死率が高い感染地域の往復をしなければならないケースなどが考えられるだろう。
■自動運転や遠隔運転技術が貢献
こうした中、例えば陸路でこうしたエリアを訪れる場合は、自動運転技術が役に立つはずだ。無人での車両走行が可能になれば、その車両の運転手などが重大なリスクを伴うことにはそもそもならない。そうすればより現地への避難向け車両や救援物資を積んだ車両を走らせるハードルが下がる。
自動運転ではなく、遠隔運転技術でももちろん貢献度は高い。遠隔運転は管制センター側で車両前方と周辺の映像をリアルタイムに確認する必要があるが、次世代通信規格「5G」の本格運用が始まれば、リアルタイム性に関する課題もクリアできる。
2020年はいよいよ自動運転レベル3(条件付き運転自動化)が解禁される。次世代技術の開発は日頃の人々の生活を便利にするという側面もあるが、こうした危機時にも活躍することを念頭に、官民が連携しながら開発スピードを高めていくことが求められる。
【参考】関連記事としては「【ルポ・北海道地震】交通マヒ、AI自動運転なら防げた悲劇 自動車イノベーションと災害大国・日本の関係」も参照。