介護ロボットの時給は88円——。人の時給の10分の1程度のコストで介護業界の救世主となりえるロボットが、このほど開発されたようだ。
開発したのは、介護事業を手掛ける株式会社高山商事(本社:愛知県名古屋市/代表取締役:高山堅次)とロボットメーカーの株式会社テムザック(本社:福岡県宗像市/代表取締役:髙本陽一)。自動駆けつけ介護ロボット「SOWAN(ソワン)」には、「自動運転の目」と呼ばれるLiDARも搭載されているという。
自動運転車のコアセンサーとして知られるLiDARを介護ロボットに導入することで、自動巡回や見守りを可能にした形だ。介護施設利用者のバイタルデータも常に把握し、異常時の駆けつけでも活躍する。
このロボットは高山商事の老人ホームで検証を重ね、開発に取り組まれてきた。介護業界で人手不足が深刻する中、この介護ロボットの受注の受付は既に開始されており、注目を集めそうだ。
■自動運転技術の活用はコストを大幅に削減する
今回の報道発表で触れられた「時給88円」は、居室10部屋基準で購入後に5年間使用した場合の時間単価だという。自動運転技術の導入により、こうした従来のコストが大幅に縮小される例はほかにもある。その一つが自動運転タクシーだ、
運転手ではなくAI(人工知能)に運転させることで人件費を削減し、人間ができないような長時間の稼働も可能にすることで、乗客が支払う移動コストは10分の1まで低下させることが可能だとの試算もある。
【参考】関連記事としては「タクシー運賃、自動運転化で10分の1 2030年に1000兆円市場に 米アーク・インベストメントが予想」も参照。