損益分岐点とは、売上高と費用がちょうど等しくなる売上規模(販売量)のことを意味する。企業経営においては一般的に、常に損益分岐点を把握しながら事業活動に取り組むことが重要とされている。
事業単位でこの損益分岐点を考えるのであれば、いま各社が取り組んでいる自動運転事業のほとんどが、この損益分岐点に達していない。達していないどころか、売上を1円もあげずに研究開発を続けている企業も多いだろう。
では自動運転関連の事業はいつ損益分岐点に到達することができるのだろうか。恐らくそれは自動運転車の市販化の時期に大いに左右される。2025年、2030年、2035年、2040年…。徐々に市販化は始まっていく。
しかし大事なのは販売台数だ。メディアが「ついに自動運転車が市販化された」と騒いだとしても、ソフトウェアやセンサーを作っている会社はまだ喜べない。数百台、数千台程度の規模では、開発に費やしてきた資金を考えると、雀の涙ほどしか売上は入ってこない。
ただこうした苦難の道が続く可能性があることは百も承知で企業が資金を投入しているのは、その先には「収穫期」(=自動運転時代)が必ずあると信じているからだ。運用額10兆円規模のソフトバンク・ビジョン・ファンドも、基本的にはこうした考えのはずだ。
例えば調査会社の富士キメラ総研が2018年12月に発表した自動運転・AIカーの世界市場調査によると、自動運転レベル3以上の自動運転車の販売は来年以降から急速に伸び、2040年には世界市場で4412万台、実に自動車販売の33.0%を占めるまでになると予測している。
また自動運転車のコアセンサーとなるLiDAR(ライダー)も車両の販売増加に伴い、市場が急拡大することが確実視されている。矢野経済研究所は世界のLiDAR市場は2030年には現在の約200倍となる5000億円規模に達すると推測している。
さてこうしたデータを踏まえると、皆さんは自動運転業界でいつ利益があがるようになるのはいつだと思いますか?ぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか。
【参考】関連記事としては「AI自動運転やMaaS、ライドシェアなどの将来市場規模予測10選」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) March 6, 2019