豊田合成、自動運転の目「LiDAR」の材料開発強化 AIスタートアップのトライエッティングに出資

材料配合のシミュレーションを迅速に



自動車の内外装・安全部品大手の豊田合成株式会社(本社:愛知県清須市/社長:宮﨑直樹)は2019年9月2日までに、「AI(人工知能)のビジネス活用」などを事業として展開するスタートアップ企業の株式会社トライエッティング(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:長江祐樹)に出資すると発表した。


出資の目的は、「自動運転の目」とも呼ばれるLiDAR(ライダー)センサーに使う高機能材料などの開発速度を上げていくこと。豊田合成は自社で有する材料設計のノウハウと出資先のトライエッティングのAI技術を融合させ、材料の配合パターンなどのシミュレーションを迅速に行えるようにするという。

【参考】LiDARは「自動運転の目」と呼ばれるコアセンサーで、レーザを使って障害物までの距離や障害物の方向を検知するために使われる。詳しくは「LiDARとは? 自動運転車のコアセンサー 機能・役割・技術・価格や、開発企業・会社を総まとめ」も参照。

豊田合成はCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)の進展を見据え、「コア技術のゴム・樹脂部品に、センサなどの電子部品を融合することによる製品の高付加価値化」や「電子技術に対応した高機能材料の開発」などに取り組んでいる。

トライエッティング社は名古屋大学発のスタートアップ企業で、2016年6月に設立された。資本金は資本準備金含めて3億8299万2000円。


今回のトライエッティングへの出資は、同社のシリーズAラウンドにおける約3億円の資金調達の一部で、この3億円の資金調達では、東海東京インベストメント株式会社や日本材料技研株式会社なども出資者に名を連ねている。

■2019年5月には光学設計スタートアップにも出資

豊田合成は2019年5月にも、LiDAR向けの外装部品などの開発に向け、光学設計・評価などを手掛ける山形県のスタートアップ企業・株式会社IMUZAKに出資を行っている。

豊田合成はこうした先端技術を手掛けるスタートアップやベンチャー企業と手を組みながら、自動運転などの先端領域で競争力を維持・向上させていきたい考えとみられる。

【参考】トライエッティングの公式サイトは「こちら」。関連記事としては「豊田合成、山形県のスタートアップIMUZAKに5000万円出資 自動運転対応に向けた開発強化」も参照。



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