東芝デバイス&ストレージ株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:福地浩志)は4月28日までに、自動運転システム向けLiDARセンサーの長距離測定の解像度を向上させる技術を開発したことを明らかにした。
この新しい技術により、従来の東芝グループの技術とくらべて、長距離での距離情報を2倍以上細かく把握することが可能になったという。
■LiDARは「自動運転の目」
LiDARセンサーは赤外線を照射して物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、車両の周辺を3D画像として把握することができるデバイスだ。「自動運転の目」とも呼ばれ高度な自動運転システムの実現に必要不可欠な技術だと言われている。
高速で移動する自動運転向けLiDARセンサーは遠方の歩行者やほかの車両を検知する性能が必要となり、太陽光などのノイズの影響も加味しながら反射光を認識する必要がある。今までの技術では、長距離を計測する際の精度が維持できず誤検出などの課題もあったという。
■200m離れた場所の情報を2倍以上細かく
今回開発された新技術は、従来技術とくらべて、200m離れた場所の距離情報を2倍以上細かく把握できるようになり、測定可能距離が22%増大したという。離れた場所の物体を捉えやすくなるため、安全な自動運転システムの実現に寄与するだろう。
性能を向上させながら、実装コストの増加は1%以下とほとんど変わらず、量産体制にも対応している。同社は今後もLiDARセンサー精度の向上や実装化に向けた開発をすすめ、2020年までの実用化を目指す。
また、今回発表された長距離測定技術のほかに、LiDARセンサー向けの高感度センサーの開発も進めているという。センサー技術が進化すれば、自動運転システムの安全性が向上し社会実装もしやすくなるだろう。新しい技術の発表に期待したい。
【参考】関連記事としては「急拡大!2030年のLiDAR市場、現在の200倍に 5000億円規模、自動運転車普及で」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) July 3, 2018