楽天、米ライドシェアLyftの市場価格低下で、減損損失1030億円を計上へ 第3四半期決算で

リフトは利用者増も4.6億ドルの赤字計上



楽天株式会社(本社:東京都世田谷区/代表取締役会長兼社長:三木谷浩史)は2019年11月5日、同社が株式を約11%保有する米ライドシェア大手Lyft(リフト)の市場価格が著しく下落していると判断し、2019年12月期第3四半期(2019年7〜9月)決算で減損損失を計上する見込みだと発表した。


報道発表によれば、減損損失の額は約1030億円に上るという。楽天はLyftの市場価格の下落について「客観的な証拠がある」としており、減損損失額については「第3四半期連結会計期間の末日の株式の市場価格に基づいて回収可能価額を測定し帳簿価額と比較した結果によるもの」としている。

楽天は11月7日に第3四半期決算を発表する。

楽天は2015年にLyftに3億ドル(約320億円)を出資している。Lyftはその後、2019年3月に米ナスダック市場に上場し、楽天は2019年12月期第1四半期(2019年1〜3月)決算では株式評価益として1100億円を計上していた。

【参考】関連記事としては「楽天の自動運転・MaaS・配送事業まとめ ライドシェア企業へ出資も」も参照。


■Lyft、売上増&利用者増も4億6300万ドルの赤字計上

Lyftは現在、アメリカ国内でウーバーに続くシェア2位に位置している。このほど発表した2019年7〜9月期の決算では、Lyftの利用者数(アクティブユーザー)は前年同期比28%増の2231万人、売上も同63%増の9億5500万ドルと伸びているものの、4億6300万ドルを赤字を計上している。


ちなみにLyftはウーバーと同様、自動運転サービスの開発も進めている。将来的には自動運転タクシーを商用化することを目指しており、自動運転システムを開発する米Aptiv社と実証実験に取り組んでいることで知られる。

既に実証実験では乗客を試験的に乗車させており、2019年6月時点で既に累計乗車回数が5万回を突破していることが報じられている。


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