「AI運行バス」とは?将来は自動運転化も?NTTドコモが商標登録

横浜市で2019年も実証実験、法人向け提供も



AI運行バス=出典:横浜市プレスリリース

株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:吉澤和弘)が商標登録している「AI運行バス」。2017年から株式会社未来シェアと共同開発を始め、2019年4月からは法人向けの提供をスタートした。

このAI運行バスは、社会課題解決に貢献する便利で効率的な移動手段として、2020年度末までに100エリアでの導入が目指されている。この記事ではこのAI運行バスについて紹介していこう。


■AI運行バスとは?

AI運行バスにはAI(人工知能)システムが搭載されており、利用者の乗降リクエストの処理や効率的な車両とルートの組み合わせの算出をAIがリアルタイムに行う。

スマートフォンアプリやウェブアプリで簡単に配車手配が可能なことや商業施設のサービスと連携していることも特徴で、初期導入費用50万円、月額利用18万円から提供されている。

■2018年の実証実験、約3万4000人を輸送

2018年10月から12月にかけ、ドコモと神奈川県横浜市、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の3者は、みなとみらい21や関内エリア周辺の横浜都心臨海部にて、AI運行バスの実証実験を行った。

実証実験では定員4〜6人の車両を最大15台運行し、国内外の来街者や地域住民、在勤者ら計約3万4000人を輸送した。平均待ち時間は10分に抑えられ、都心部の路線バスと同等の乗車効率が得られたといい、オンデマンドの乗り合い交通が地方だけでなく都心部においても貢献度が高いことを立証した。


ほかにはリアルタイム配車予約での運行の実現もできたことも大きな実績だ。また、既存の公共交通を利用する際よりも3〜4割ほど総移動時間が短縮されるケースもあったという。

■2019年度も実証実験、大型車両も導入

実証実験は同じ3者で今年度もこれから実施予定だ。2018年度の実証実験結果を踏まえ、AI運行バスの実証実験を2019年10月10〜20日まで横浜都心臨海部で実施する。期間中は料金無料で利用でき、コールセンターも開設される。

2019年度は新たな取り組みとして、定員11人以上の大型車両を追加し、車いす利用者にも対応するという。3者は今後、AI運行バスのさらなる有効利用やユニバーサルデザインの推進、技術と事業化の検証を深め、AI運行バスの社会実装による利便性向上と地域経済の活性化の実現に寄与していきたい考えだ。

■【まとめ】便利で効率的な移動手段として

AI運行バスは便利で効率的な移動手段としての役割を十分に果たすと考えられる。将来、AI運行バスが自動運転化されれば、無人で効率良く人を輸送する「最強の公共バス」にもなりえる。今後の動向にも注目していきたい。



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